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「示談をすれば警察としても物損事故で処理できますよ」
神奈川署が先ごろ「おれおれ詐欺」の電話を録音したテープを公開。そこには横浜市内の男性(66)と「警官」と名乗る男の生々しいやりとりが記録されていた。
息子の名と会社を言い当て、息子が事故相手の妊婦を破水させたと冷静な口調で説明し始める。
「安全運転義務違反です」「示談交渉が終わるまで接見できません」。淡々と専門用語を並べる“警官”に、男性は「妻にも連絡しないと」と焦る。電話口の男は「払ってもらわないと」「そういう決まりですので」とまくし立てていく。
男性が「目が悪いので振り込みができない」と言うと、「なるほど、息子さんは交通刑務所行きですね」と言い放ち、プツリと電話を切った。
同署は「警察から示談金の話を持ちかけることなどあり得ない」と訴えるほか、「まずは本当に事件があったのか警察署に連絡し、確認してほしい」と説明する。
県警によると、昨年一年分の被害額や件数を今年は六カ月余りで大幅に超えた=表。実害のあった計四百五十八件のうち最高額は千百九十万円で、平均でも百七十万円に上った。
主な手口は交通事故や借金の話を持ち出すケースが多く、平日の午前中に集中。息子らが会社で仕事をし、携帯電話での連絡が取れない時間帯を狙っているという。
一方、被害を入金段階で防ごうと、県警生活安全対策室は「オレオレ詐欺に注意」と書かれたシールを約五千枚作った。「とにかく電話が事実か確認が必要。入金の前に、それを思い出して」と力を込める。県警各署もホームページや集会などで注意を呼び掛けている。
捜査員は言う。「相手は詐欺集団。うまくダマされてしまうこともあるが、一にも二にも、冷静になって確認を」
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20040921/lcl_____kgw_____000.shtml