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県は、環境基準の四百五十倍と二十五倍の有機ヒ素化合物を検出した二本の井戸の半径五百メートル圏内の農業用井戸四十五本の井戸水を検査。その結果、五本から有機ヒ素化合物を検出したため、汚染したとみられる水田で収穫したコメの検査を同県つくば市の国立環境研究所に依頼していた。
四農家のコメは、コシヒカリとあきたこまちで、一キロ当たり〇・〇四三−〇・一一〇ミリグラムの有機ヒ素化合物を検出。いずれも二井戸をつなぐ中心ライン上の水田で収穫されていた。これらの水田で九月に収穫された新米は出荷されておらず、すべて保管されていた。
また、四農家のうち一軒の農家に残っていた昨年産米からも同じ有機ヒ素化合物を検出。食べた農家の家族五人の毛髪検査などでは有機ヒ素化合物は検出されず、体調の異常もなかった。
昨年産米は四農家で計約五、六トンが、県南地域を中心に十数店舗で販売された。県は「他のコメがブレンドされているうえ、流通量も少ないので、健康上の影響が生ずる懸念は極めて少ない」と安全性を強調している。
県は、農協などコメの販売業者や地元住民に説明するとともに、今後、農業井戸のモニタリングや来年度の農業用井戸水の検査を実施。出荷を自粛したコメの保管代などを国に要望する。
■やはり農産物から
家族四人が有機ヒ素化合物で健康被害を受けた神栖町の青塚美幸さん(27)の話 やはり農作物からも出たかという気持ち。子どもに何を食べさせればいいのか不安だ。国は十一月から毒ガス兵器の本格掘削調査に入ると悠長なことを言っているが、国も食べ物も飲み物も、何も信じられない中で、どうやって生きろと言うのか。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20040917/mng_____sya_____008.shtml