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95年3月の国松孝次・警察庁長官銃撃事件で今年7月に警視庁に逮捕され、処分保留で釈放されたオウム真理教元信徒小杉敏行・元警視庁巡査長(39)について、東京地検は17日、嫌疑不十分で不起訴処分にした。元巡査長は、逮捕前に「実行犯とみられる男にコートを貸した」と話したが、逮捕後は「自分が撃った」と供述を変えていた。東京地検は、元巡査長が実行犯かどうかについて調べていたが、「供述は信用できず、裏付けも困難だ」として今回の捜査を打ち切った。
警視庁は「教団による組織的犯行という構図は誤っていない」として、今後も教団関係者を中心に捜査を続ける方針だ。だが、9年にわたる捜査で不起訴になっていることから、事件解明に向けた有力な証拠収集は難航するとみられる。
東京地検は、元巡査長と同様に殺人未遂容疑で逮捕された植村(旧姓岐部)哲也(49)、砂押光朗(37)の両元教団幹部と、爆発物取締罰則違反容疑で逮捕された石川公一・元教団幹部(35)も嫌疑不十分で不起訴にした。
7月末に4人が釈放された後、地検が主導し、元巡査長の任意での聴取を続けた。しかし、「自分が撃った」という以外にはあいまいな供述を繰り返したという。また、元巡査長のコートから採取した微量の金属物質が、事件で使われた銃弾の成分と矛盾しないとした鑑定についても検討し、「同一性が確定できるわけではなく、決定的な証拠とはいえない」と判断した。
元巡査長は96年にも「自分が撃った」と供述した。この時も裏付けがとれず、東京地検が97年に捜査をいったん打ち切っていた。(09/17 16:36)