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警察庁は、事件の容疑者や現場から採取された血液や毛髪などのDNAの型情報について、データベース化に向けた検討を始めた。指紋や遺留品が乏しい犯罪捜査で、保存してあるDNA型情報を活用すれば、容疑者の絞り込みなどに格段の効果が期待できるとみている。遺伝情報を記すDNAは「究極の個人情報」ともいわれ、蓄積された情報保護のあり方をめぐって批判も予想される。同庁は「病気や体質にかかわる遺伝情報は保存しない」としている。
警察庁は今後、専門家の意見を聞き、すでにDNA型情報のデータベースを持ち、捜査に利用している英国や米国の運用実態も調べ、構想を具体化させる。導入までには少なくとも数年かかるとみている。
DNA型情報は、「型鑑定」という方法ですでに国内の警察で捜査に利用されている。DNAを構成する塩基の配列に個人差があることを利用した手法で、微量の唾液(だえき)や毛髪からでも識別できる。
関係者によると、昨年、導入した新たな鑑定法では、これまで約2万3000人に1人だった個人識別力が、約1億8000万人に1人の確度に向上しているという。捜査への利用は年々増え、昨年は殺人や強盗、強姦(ごうかん)など1159件の捜査でDNA鑑定が使われた。警察庁は、捜査の中で入手した血液、毛髪や容疑者のDNA型情報を一元的に管理し、全国的に活用する方針。
捜査現場ではこれまで、「データベースがあれば被害の拡大が防げた」「容疑者の絞り込みがもっと早くできた」などの声も出ていた。連続強制わいせつ事件などでは、最初の事件現場から体液が検出されることは多いが、照合資料がないため容疑者を特定できなかったなどの事例も警察庁に報告されているという。
データベースに保存する情報について、警察庁幹部は「捜査の過程で得られた、記号化されたDNA型情報だけだ。この型情報には、病気や体質にかかわるような遺伝情報は含まれない」と話している。
(09/17 06:18)