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米大手銀行「シティバンク」を装って同行の顧客に電子メールを送りつけたうえで、同行の偽のホームページにアクセスさせて暗証番号などの個人情報を聞き出そうとする、新手のネット詐欺が確認された。
実在する会社をかたったメールを送り、返信メールに個人情報を書き込ませる「フィッシング詐欺」の“進化形”とも言え、偽のホームページを組み合わせた手口が確認されたのは国内で初めて。警察庁も「同様のネット詐欺が増える危険がある」と注意を呼びかけている。
同行などによると、問題のメールが顧客に送りつけられるようになったのは今年夏ごろ。シティバンクが発信したように見せかけた英文のメールで、「シティバンクの顧客の個人情報が盗まれる事例が相次いでいる。すぐにあなたの情報を確認しなければならない」と記載。「時間内に確認できない場合は、口座を凍結する」としたうえで、指定されたホームページ・アドレスにアクセスするよう指示している。
アクセスすると、シティバンクの本物のホームページとともに、シティバンクを装った偽のホームページが表示され、偽のホームページに顧客の口座番号や暗証番号などを入力するよう求められる。
詐欺にひっかかり、口座番号や暗証番号などを入力してしまうと、口座から勝手に預金が引き出されてしまう危険があるが、同行によると、今のところ被害は確認されていないという。
犯人側が、顧客名簿などに基づいてメールの送信先を選んでいたかどうかは不明。同行では、英語と日本語の各ホームページや、顧客向けのニュースレターで注意喚起している。
詐欺メールを受け取った都内の男性会社員(42)は、「本物と偽物のホームページが同時に表示されるので、危うく暗証番号などを入力してしまうところだった。念のため銀行側に問い合わせたから、被害に遭わずに済んだ」と話している。
国内では今年に入って、クレジットカード会社「JCB」、検索サイト運営会社「ヤフー・ジャパン」などを装って、「ギフトカードが当たった」「あなたのIDが何者かに解読された」と偽り、個人情報をメールで返信させようとするフィッシング詐欺が相次いでいる。
また、金融機関を巡っては今年1月、「みずほ銀行」をかたって、コンピューターウイルスが仕込まれたホームページにアクセスさせようとする迷惑メールが出回った。個人情報を聞き出す手口ではなかったが、同行では「フィッシング詐欺は世界中で増えており、今月から事前防止策として弊社のホームページでも注意を呼びかけている」と話している。