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BSデジタルのデータ放送局「BS955」を運営するメディアサーブ(本社・東京、古川博之社長)は、売り上げが伸び悩んでいることを理由にBSデジタル放送から撤退し、11月末で放送をやめる方針を決めた。16日、総務省に届けた。「見るテレビから使うテレビへ」を特色に国の放送デジタル化政策として00年12月に始まったBSデジタルではNHKと民放18社が携わっているが、撤退は初めてだ。
BSデジタルは先月末で約651万世帯に普及している(NHK調べ)。民放は広告料で運営して視聴者からは費用をとらない無料広告放送が中心。大半が黒字化しておらず、このまま経営が軌道に乗らなければ、撤退する放送局が続く可能性は残っている。
メディアサーブは、東芝が筆頭株主となり、96年に設立され、資本金は34億7000万円。静止画面によるデータ放送と双方向サービスを行っており、サッカーくじtotoの結果や、アイドルのグラビアDVDの通信販売、ニュースや投資情報などが主な番組だ。
通信販売や資料請求などの双方向サービスを利用するため、同局に登録している視聴者が全国に約40万人おり、放送をやめることは番組で告知する予定だ。放送事業以外にも、メディアサーブは、他局のデータ放送番組の制作や双方向サービス事業の請負業務をしており、これらの事業は続ける。
メディアサーブの03年12月期決算の売り上げは2億8700万円で、4億5500万円の赤字。累積赤字は25億円を超えた。
古川社長は「採算性は今後も厳しい。高速でインターネットに接続できるブロードバンドや、携帯電話によるインターネット利用が予想以上に急速に普及し、競合した結果、広告主が集まらなかった」と説明している。
メディアサーブが使っていた周波数帯域を利用する放送局は決まっていない。
総務省衛星放送課は「熟慮の結果であれば、やむを得ない。視聴者に混乱を与えないように配慮してもらいたい」としている。(09/17 06:19)