2004年09月16日(木) 00時00分
佐世保小6事件 加害女児、育った街後に審判の感想を話す大久保小の出睿子校長(右)、鶴耕一市教育長(中)、中村政則佐世保児童相談所長=佐世保市役所で(朝日新聞・)
全国を揺るがせた事件は15日、大きな節目を迎えた。佐世保市の大久保小学校で同級生をカッターナイフで切りつけて殺害した女児(11)に対する最終の少年審判。長崎家裁佐世保支部は、女児を児童自立支援施設に送致し、行動の自由を2年間制限する内容の保護処分を決めた。長い一日を過ごした女児は16日にも故郷を離れる。
15日午後2時43分、ワゴン車が長崎家裁佐世保支部を出た。約4時間の最終審判を終えた女児が乗っている。警察官や家裁職員が警備し、報道陣のカメラも囲んでいる。
生まれ育った佐世保市中心部を通り、佐世保みなとインターから西九州自動車道へ。ワゴン車を含めた4台の車列は長崎自動車道・長崎多良見インターから長崎バイパスに抜けた。
女児の移送先は、個別的な処遇が可能な女子用施設、国立きぬ川学院(栃木県)とみられる。だが、15日は同学院に向かわず、長崎市の長崎少年鑑別所に戻った。
家庭裁判所が必要と認める時は7日を超えない限りで少年を引き続き少年鑑別所に収容できるという少年法の規定に基づく。家裁は、長時間の移送が女児に与える負担に配慮したらしい。
最終審判では、付添人や家裁調査官、女児本人の意見陳述があった模様だ。県佐世保児童相談所は女児の家裁送致時、強制的措置がとれる施設送致が望ましいとする意見を添えており、家裁調査官の調査報告書、少年鑑別所の鑑別報告書などをもとに、14歳未満としては最も管理の厳しい処分にしたとみられる。
午後4時10分、車列は長崎少年鑑別所に着いた。ワゴン車は浦上署員が並ぶ玄関に横付けした。所内に入る女児の姿は、灰色のシートに隠れて見えなかった。
「もし会えるとしたら抱きしめてあげたい」 会見の校長佐世保市役所で会見した大久保小の出睿子校長は、家裁の決定について「手の届かないところに行ってしまう。2年間で彼女の未熟な部分がどうなるのか、不安はある」と話した。加害女児に対しては「もし会えるとしたら、抱きしめてあげたい。とても言葉はかけられない」と思いを話した。
学校では全職員に決定要旨を配り、問題と指摘された点を検討する予定という。「児童たちにはショッキングな事件。6年生には話さなければいけないが、他の子どもには詳細を知らせたくない」と、児童たちの心を気遣った。
(9/16)
http://mytown.asahi.com/nagasaki/news01.asp?kiji=4178
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