2004年09月16日(木) 00時00分
知恵絞り対策に躍起/オレオレ詐欺 架空請求振り込みボタンを押すと、赤い字で注意を促す表示が出るATM=大分市の大分銀行本店で(朝日新聞・)
オレオレ詐欺や架空請求の被害が増え続けている。県警や県、金融機関はあの手この手で被害を防ごうとしている。
「緊急にお金の振り込みを求められたら振り込む前に竹田警察署へ」
竹田署は、管内4市町の約1万世帯にそんなシールを配っている。約7万円かけて作った。縦7センチ、横3センチで、受話器の背に張れるようにした。同署は署員が寸劇で被害例を紹介したり、署長が免許更新で注意したりもしている。
日田署は8月からケーブルテレビで、宇佐、玖珠など3署は防災無線で注意を呼びかけている。
県警捜査2課によると、被害者の多くは「自分に詐欺の電話がかかってくるとは思わなかった」と話すという。「もしもの時に頭が真っ白にならないよう、日ごろ注意してほしい」と担当者。
県は8日、県警や金融機関、弁護士会とともに被害防止対策会議を開いた。県庁の会議室に30人ほどが集まり、各団体の取り組みを検討した。
県は今後、県内の全世帯(約48万世帯)に被害防止を訴える冊子やステッカーを配る。2カ月ほどして再び会議を開き、各団体の対策の効果を検証する予定だ。県民生活・男女共同参画課は「犯人とのいたちごっこが続く間は、やれることは全部やる」。
大分銀行は7月から、現金自動出入機(ATM)の画面で、詐欺への注意を呼びかける表示を始めた。大分みらい信用金庫は、少額で口座を開く客に「どのようなご利用予定ですか」などと質問し、不正な口座開設を防ごうと試みている。
ただ、ある金融機関の関係者は「怪しいと思っても突っ込んで質問するには限度がある」と指摘する。「不正口座にかかわれば厳罰に処すなど、新たな法整備が必要ではないか」
警察庁によると、オレオレ詐欺や架空請求による全国の被害額は今年1〜7月で約77億2千万円。3月から毎月増えており、7月は約19億4千万円だった。県内では8月末までに24件計3777万円の被害があった。
県に寄せられた相談は03年度は9607件で、前年の約1・5倍。今年度は8月末までで5585件で、03年度を上回る勢いだ。中には交通事故の示談金名目で現金をだまし取ろうと、電話口でサイレン音を鳴らして臨場感をあおるケースもあったという。
(9/16)
http://mytown.asahi.com/oita/news01.asp?kiji=4793
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