2004年09月16日(木) 02時17分
御手洗さん会見 心の奥 分からぬまま 鑑定に複雑な心情吐露(西日本新聞)
長崎県佐世保市の小六女児殺害事件の被害女児(12)の父親で、毎日新聞佐世保支局長の御手洗恭二さん(46)は十五日、同市内で記者会見し、少年審判で決まった加害女児の処遇について「納得いかないが受け入れざるを得ない」と複雑な心情を打ち明けた。「裁判所に提出された精神鑑定書を読んでも、彼女(加害女児)は普通の子としか映らない」。事件から三カ月半。保護処分決定で法的手続きは一つの節目を迎えたが、御手洗さんは「僕にとっても、彼女にとっても審判はまだ終わっていない」と語った。
「加害女児の心の奥底を知りたい」「どうして娘がいなくなったのか」—。御手洗さんは事件直後から「なぜ」にこだわり続けた。二日前から何度も鑑定書の要旨を読み返した。そして、この日、長崎家裁佐世保支部から処分決定の全文を受け取った御手洗さんは「この結果は鑑定や調査の限界なのだろうか。それが彼女の心の中なのだろうか。分からない。非常に戸惑っている」と、やりきれなさを口にした。
さらに、時折言葉につまりながらも「普通の子が、怒りの末に人の命を奪うという一線を越えた行動が理解できないでいる」「事件が起こる前に時間が戻ってほしい。その願いは、これからもずっと続くだろう」と唇をかんだ。
加害女児に対しては「相手のことを理解できない子に、何を言っても伝えられない気がする。早く相手のことを受け止め、相手に考えを伝えられるだけの力をつけてほしい」と話した。
(西日本新聞) - 9月16日2時17分更新
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