2004年09月12日(日) 00時00分

鳳来町長家族経営の旅館 入湯税を違法に徴収 （中日新聞）

　愛知県鳳来町の下江利幸町長（６７）の家族が経営している同町大野の観光旅館「赤引温泉」が、温泉法に基づく温泉施設ではないのに約十一年間にわたり、宿泊客から違法に一人百五十円の入湯税を徴収し、町に納付していた。町長は法律上の勘違いと釈明。これまでに徴収した入湯税約三百万円を宿泊者名簿をもとに客に返還したいという。

　下江町長の説明によると、下江町長は一九七四（昭和四十九）年から赤引温泉を経営。町長に初当選した九四年に長男（４０）に経営を譲った。

　もともと天然温泉を引いていたが、枯渇し、九三年一月、鉱石をはめ込んだ浴槽で水道水を沸かす「人工トロン温泉」に変えた。同時に入湯税を徴収する必要がなくなったが、宿泊客から税を取り続けた。今年八月下旬、旅行会社の指摘で誤りに気づいたという。

　下江町長は「人工トロン温泉の設備を作った業者から“入湯税はそのまま徴収すればいい”と言われ、うのみにしてしまった」と話し「（天然温泉でなく）人工トロン温泉であると、風呂場やパンフレットに表示している」と主張している。

　この旅館は、愛知県観光協会のインターネットのホームページでは「温泉」と表記されている。

http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20040912/mng_____sya_____002.shtml