2004年09月12日(日) 07時03分
仙台・墓石トラブル 白石の業者、被害者に1基無償提供(河北新報)
仙台市青葉区の墓石販売業「東北メモリアル」が墓石代の支払いを受けながら施工していない問題で、宮城県白石市の石材輸入商社「おの」の小野和美社長(58)が「被害者が気の毒だ」と、被害者の一人に120万円相当の墓石を贈ることにした。被害者側は「捨てる神あれば拾う神あり」と感激している。
小野社長は被害の現状を河北新報の報道で知り、8月、被害者グループ側に墓石1基の無償提供を申し出た。グループで対象者の人選をし、被害額の大きい仙台市宮城野区の公務員男性(54)を選んだ。
墓石は独自設計の洋型で、外さくも付く。男性が今月4日、妻(49)と同社の展示場を訪ね、現物を確認。今月末に引き渡しを受けることで話がまとまった。
男性は2003年4月、東北メモリアルの営業攻勢を受け、墓石を購入する契約を結び、170万円を支払った。しかし、墓地の基礎工事が行われただけで、施工が中断。同社は事務所を引き払って所在不明になり、電話も通じなくなった。
小野社長は墓石を贈る理由について「この業界に27年いるが、こんないいかげんな業者は聞いた事がない。母親くらいの年齢の被害者もいると聞き、見るに見かねた」と話している。
男性は「悪徳業者に一度はだまされたが、こんな義きょう心のある業者がいることも知った」と喜んでいる。
被害者グループは仙台市の高齢者ら約15人。被害総額は1000万円を超し、詐欺容疑で東北メモリアルの役員らを告訴することを決めている。
(河北新報) - 9月12日7時3分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040912-00000006-khk-toh