2004年09月11日(土) 23時24分
<情報流出>委託業者の社員が持ち出し 埼玉・草加、八潮(毎日新聞)
埼玉県草加、八潮両市から電算管理を委託された電算処理会社「アイネス」(大畑すぐる社長、本社・東京)の元社員(28)が、市民の個人情報を記載した書類を自宅に持ち帰り、可燃ごみとして棄てていたことが11日、明らかになった。棄てた書類は3袋あり、草加市はごみ集積所から457人分の個人情報を記載した1袋を回収したが、残りの2袋は既にごみ回収車に回収され、記載されていた個人情報の件数や内容も不明。会社の事情聴取に元社員は「転居の際に処分に困り、可燃ごみとして捨てた」と話しているという。
回収された書類には、草加市383人分、八潮市74人分の個人情報が記載されていた。主な内訳は草加市が住所、氏名、生年月日を書いた予防接種の通知(216人分)▽住民基本台帳コードなどが入った印鑑登録証明発行停止リスト(39人分)▽75歳以上を対象とした敬老祝い金のあて名シール(60人分)など。八潮市は印影や氏名を記入した印鑑登録(7人分)、国政選挙の投票所入場はがき(63人分)など。印鑑登録情報を元に他人が印影から実印を偽造する例もありうるという。
同社によると、元社員は01年4月入社。今年7月末日に退職するまで、電算システム技師として両市の市民課で電算管理に従事した。可燃ごみとして出した書類は、元社員が勤務先の春日部事業所などでテストデータとして印刷し、自宅へ持ち帰った。「誤字や文書のミスを修正したかった」と話しているという。草加市は市個人情報保護条例法違反(秘密漏えい)で同社と元社員に対する告訴も検討している。
大畑社長は「社外へ持ち出さないなど管理を徹底してきたが、テストデータは不十分だった。今後は印刷から処分まで上司が管理するなど保管に万全を期したい」と話した。【飯嶋英好】
(毎日新聞) - 9月11日23時24分更新
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