2004年09月10日(金) 00時00分
オレオレ詐欺急増 警察や知人に確認を「ちょっと待って!その振込大丈夫?」。銀行側はATMの周りにチラシを張って利用者に注意を促す=大津市浜町で(朝日新聞・)
県内でオレオレ詐欺の被害が増えている。近親者や警察官などを装って振り込ませる手口が主流だが、だまし取る金の名目は、事故の示談金から、他人には相談しにくい妊娠中絶費用や万引きの補償費まで多様化している。決してあわてず、恥ずかしがらず、警察や親しい人に相談や確認をすることが大切だ。
◇今年すでに250件 県内で初めて被害が確認されたのは昨年5月。同年末までは未遂を含め68件(被害額約3800万円)にとどまったが、今年初めから9日までに250件(同6800万円)にのぼった。約8割に当たる197件が6月以降に集中している。
県警によると、被害の出始めたころは、子どもや孫を装った人物が電話で「オレ(私)だけど、交通事故に遭った。示談金をすぐに振り込んで」などと現金を要求する手口が多かったが、警戒されるようになると変化した。
今では「美術品を壊した」「交際中の女性を妊娠させた」「借金の連帯保証人になった」など理由もさまざま。示談を勧める警察官や弁護士など社会的信用度の高い職業を装った人物も電話に登場する。にせ警察官が登場する率は5割を超える。
電話が多いのは平日の午前10時〜午後2時ごろ。金融機関が営業中で、高齢者が一人で在宅しがちな時間帯を狙っているとみられる。
◇対策ベスト3 県警が捜査に乗り出しても、検挙に結びつく例は少ない。犯人が使う電話はほとんどが携帯電話。通信記録を苦労して調べても、身元を突き止められにくいプリペイド式携帯電話や架空名義の携帯電話の番号であることが多く、捜査は行き詰まる。
現金振込先の口座もインターネットなどで売り買いされている架空名義や、事情を知らない人の名で勝手に開設された借名口座が大半だ。県警としては、被害が出れば広く広報して、意識を高めるしかないのが実情だ。
県内の金融機関の中には、窓口で急に高額の預貯金を引き出そうとする利用者に使途を尋ねたり、窓口に注意を促すポスターなどを張ったりしているところがある。しかし、ATMで振り込む例や、窓口で行員らが注意を促しても動転している被害者には伝わらない例もあり、その効果にも限度がありそうだ。
県警が未遂に終わった193件を分析した結果、被害に遭わない秘訣(ひけつ)のベスト3は、(1)家族に事実確認(約37%)(2)オレオレ詐欺を事前に知っていた(約27%)(3)警察に事実確認(約16%)だった。
(9/10)
http://mytown.asahi.com/shiga/news01.asp?kiji=4358
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