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NHK(海老沢勝二会長)は7日、元チーフプロデューサーによる制作費不正支出や職員の受信料の着服など一連の不祥事に関する調査結果と再発防止策を経営委員会(須田寛委員長=JR東海相談役)に報告し、その内容を発表した。改めて会長など全役員を減給処分にし、ずさんな経理処理が発覚したソウル支局長を停職6カ月と放送総局付に異動とし、カラ出張をした元「宇宙新時代プロジェクト」の職員2人も出勤停止7日とした。
役員の処分は、すでに決まっていた海老沢会長の減給30%、関根昭義放送総局長と出田幸彦同副総局長の同20%(いずれも3カ月)をそれぞれ6カ月に延長した。新たに笠井鉄夫副会長を減給20%6カ月、その他の役員8人を同10%6カ月とした。今回の異例の処分の背景には、受信料を集金する現場から「視聴者の批判が厳しい」との声や電話やメールで抗議が相次いでいることからNHKが危機感を持ったことがある。
現ソウル支局長の経理処理については、前回赴任していた93年から4年間のうち約29カ月間で、月60万〜210万円を上乗せした額の領収書を外部プロダクションに作らせ精算し、その総額は約4400万円にのぼることが分かった。しかし取材活動に使い、私的な流用はなかったとして弁済は求めていない。
元チーフプロデューサーの番組制作費の不正支出は、これまで分かっていた4800万円余の不正支払いのほか、紅白歌合戦に出演したバンドの所属事務所への出演料過払いも明らかになった。
報告書は、不正の原因として、チーフプロデューサーが放送作家らを現場の判断で選び、登録できる手続きなどに問題があったとした。今後は経理の最終決定は上司である部長が行い、放送作家の登録は新設する「放送作家審査委員会」を通すなどして適正化を図る。またNHK全体を対象とする経理処理などの業務総点検では、新たな不正は見つからなかったと結論づけた。
海老沢会長は会見で「視聴者、国民の皆さまから寄せられる信頼や期待の上におごりや甘えがあった」と謝罪し、「職員一丸となって、法令順守(コンプライアンス)に取り組み、信頼回復へ一から出直す」と述べた。
(09/08 00:20)