2004年09月08日(水) 00時00分
オレオレ詐欺 水際で阻止を(朝日新聞・)
県内で発生した今年1月から7月末までの「オレオレ詐欺」による被害が、254件、総額1億7千800万円にのぼることが県警の調べでわかった。警察官を名乗るなど犯行の手口も巧妙化してきていることから、県警などが注意を呼びかけている。
「ご主人が交通事故を起こし、妊婦にけがをさせた。示談金を払わないと釈放されない」
「金融会社の人に捕まった。借金を返さなければ帰してくれない」
県警によると、当初、オレオレ詐欺の手口は、孫や子どもを装い、金を振り込ませる単純なものだった。しかし、最近は、警察官や保険会社員を名乗り、交通事故の示談金や借金返済、妊娠中絶などの手術費用の名目で、金を要求するなど手口が巧妙化してきており、県警は「新手のオレオレ詐欺」とみている。
中でも、交通示談金を名目とされた被害が193件と最も多く、被害額は計約1億5千万円になるという。
こうした被害に遭わないためには、「まずは落ち着いて、本人に確認を取ることが一番の防止法」とされてきた。
しかし、仙台市消費生活センターによると、最近では、犯人側が事前に番号を入手した家族の携帯電話にかけ続け、確認しようとしても電話がかからないように妨害したり、日中、携帯電話の電源を入れられない医者の家族を狙ったりする悪質な事例も報告されている。
県警は、今月から、オレオレ詐欺の手口や対策、注意点を書いたチラシ=表=を作り、電話機のそばに張って被害に遭わないようにしてもらおうと配り始めた。
また、七十七銀行(仙台市)では、現金自動出入機(ATM)の横に、シールやポスターを張るなどして、利用者に注意を呼びかけている。
実際、被害が水際で食い止められたケースもある。
仙台南署によると、仙台市太白区内の主婦(58)に対し8月上旬、「警察官」を名乗る男から「だんなさんが妊婦の乗っていた車と交通事故を起こした」として、示談金などを振り込むよう求める電話がかかってきた。あわてた主婦は銀行で約1千万円を引き出し、振り込もうとしたが、不審に思った行員が事情を聴き、本人と連絡を取り、被害を防いだという。
七十七銀行は、今年4月から今月7日までに、8件のオレオレ詐欺を防止し、県警から感謝状が贈られた。
【被害に遭わないためのポイント】
・警察が示談の仲介をすることはなく、警察だと言われたら所属と名前を聞き「かけ直す」と言って電話を切る。
・電話1本だけで金を要求してきたら詐欺の可能性が高い。
・「事故を起こした」などと言われても、あわてず落ち着いて対応する。
・自分から先に家族の名前を言わず相手に名乗らせる。
・おかしいと思ったら、身内や最寄りの警察署に連絡する。
※県警などの広報チラシから
(9/8)
http://mytown.asahi.com/miyagi/news02.asp?kiji=5712
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