2004年09月07日(火) 00時00分
「点検調査お粗末」/道の温泉表示公表(朝日新聞・)
識者 「細かい情報、開示必要」 温泉の表示問題をめぐり「道内の31の温泉地域は不当表示がなかった」とする道観光振興課の6日の公表結果について、温泉に詳しい識者からは「利用者の安全を真摯(しんし)に考えていない」などと厳しい声が上がった。温泉の成分や効能は温泉法で表示が義務づけられているが、加熱や加水の方法、湯を循環利用しているかどうかなどは義務的な表示基準がない。このため道は、それぞれの温泉地に点検を要請した。
温泉学を専攻する松田忠徳・札幌国際大教授は、点検が観光協会や温泉旅館組合を通じて実施された点について「公共温泉や団体に加盟していない施設は脱落している。お粗末な調査で、消費者は信用しないだろう」と話す。その上で「市町村が各施設を調査して、加水や湯の循環・ろ過、そして塩素殺菌の状況など細かい情報を開示すべきだ」と強調した。
「北海道いい旅研究室」編集長の舘浦海豹(あざらし)さんは「有害な塩素が入った水道水を加えれば、源泉100%とはいえない。循環・ろ過をすれば、汚れが除去されるとともに、温泉の有効成分も減る」、「泉質分析表と比べ全く異なる湯が浴そうに張られている。利用者の信頼を裏切っている」とした。
そして「自主点検ではなく、川湯温泉のように源泉地点と浴槽内の湯の成分を調査して『本物宣言』をすべきだ。費用は行政が一部負担をしても良い」と訴える。
(9/7)
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news02.asp?kiji=7428
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