2004年09月05日(日) 00時00分
草津で温泉学会 温泉法見直し論議(朝日新聞・)
草津町で開かれている温泉学会の第3回全国大会は4日、会員の報告とシンポジウムなどをした。シンポジウムでは、一連の温泉問題について、会長の保田芳昭・関西大学商学部教授がパネリストとして発言し、「現行の温泉法は欠陥法。消費者の立場に立った改正を」と訴えた。
110人が出席した大会のシンポジウムは、温泉法改正などがテーマ。保田会長は温泉利用者の立場として、48年に施行された温泉法を批判。「悪質な事業者が水道水や井戸水を沸かして温泉と表示しようが、温泉法は寛大に出来ている。抜本的な改正が必要だ」と指摘した。
具体的な改正点として、浴槽の湯ごとに情報開示を徹底させるとともに、温泉の乱開発を規制する項目を新設することを提案した。また、脱衣場などに掲示する温泉分析表は現行法では源泉の中身を表示しているだけだが、実際の浴槽の中身を表示させることを義務づけるよう提言した。
保田会長は数年前、友人に伊香保温泉を紹介したことを振り返り、「今考えると紹介した温泉も、水道水だった。そういうことがまかり通っていることがおかしい。私も被害者だった」とも発言した。
シンポジウムでは、温泉経営者の立場として、福島県温泉協会の佐藤好億・副会長もパネリストとして発言。一連の温泉騒動について、「温泉という地下資源を利用する立場として弁解の余地はない。現場は大変混乱している」と説明した。
そのうえで、一部の温泉旅館で不当表示があることについて、「とうてい信じられない」とし、地元の保健所が徹底して指導すれば不正は防げるという認識を示した。
また温泉の所有権の問題では「温泉は土地所有と違って、慣習法に基づいて使われてきた。既得権が優先している」として、これが温泉問題をさらに混乱させているという認識を示した。大会は5日まで。
(9/5)
http://mytown.asahi.com/gunma/news02.asp?kiji=3849
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