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【市場の変化】
ユニクロが秋から進める高級化路線は、一言でいうと「世界品質宣言」ということになる。
現在、計画している秋冬ものは、美脚パンツ、フリース、カシミヤ、ダウン、インナーなど。看板商品のフリースは強固なものにするため、温度調節素材を使った製品を量産、高級品のカシミヤも昨年以上の商品を投入する。また、ポーランド産のダウンや、昨年欠品したインナーを強化していく。
高級化について、ファーストリテイリングの玉塚元一社長は「グローバル化が進み、国内市場でも世界市場に通用するものでないと勝ち続けることができない。また、カジュアル衣料市場は団塊の世代を取り込むため、若者から大人向けに変わってきた」と説明。市場の変化を察知してのイメチェンのようだ。
「高級=値段も高い」で従来のイメージから離れていくが、玉塚社長は「世界市場で通用する品質にするため、妥協は一切しない。このため現在の価格より高くなることもあるが、品質との見合いからけっして高くはないはず」と断言する。
【新店舗】
こうした高級化に伴い、新たに「ユニクロプラス」という大型店舗をオープンさせる。10月に大阪・心斎橋に開店する同店(地下1階・地上4階)の売り場面積は、現在の主力店の4倍以上にあたる650坪。高級衣料を扱うのに適した店構えで、商品をすべて展示するため大型店舗が必要になったという。さらに今後、数十店規模で設置していく方針だ。
【復活】
ユニクロは平成16年8月通期の既存店売り上げが3期ぶりにプラスになる見通しで、長い低迷期を脱し、8月期はユニクロ復活を明確に示す決算となりそうだ。
売り上げ回復は、これまでのベーシック衣料の定番商品からファッション衣料に品ぞろえを変えたことで、女性客を中心に客足が戻ったことが大きい。米国の美術家、アンディ・ウォホールの作品をあしらった速乾性に優れたプリントTシャツや短パン、女性向けのキャミソール、水着などに人気があったからだ。
その一方で、柳井会長が取り組んだ野菜・果物販売事業から撤退、英国の店舗も大幅に縮小し、経営のスリム化を図ったことが業績回復につながったもようだ。
業績回復の次の一手が高級化路線。消費者には低価格が魅力だったユニクロだが、どこまで自ら「逆・価格破壊」ができるのか、ユニクロの秋冬商戦が注目だ。
ZAKZAK 2004/09/04