2004年09月02日(木) 20時21分

＜ＮＨＫ会長＞経費の着服・流用が４件　職員を処分と会見で（毎日新聞）

　ＮＨＫの海老沢勝二会長は２日の定例会見で、９７〜００年に職員による経費の着服や流用が４件あり、かかわった職員４人を懲戒免職処分にしていたことを明らかにした。ＮＨＫは「ＮＨＫの情報公開制度で請求すれば公示される事案」としているが、いずれも発表していなかった。海老沢会長は「今後、公開の基準を明確化し、公金にかかわる悪質な事案は速やかに公表していきたい」と述べた。元チーフプロデューサーによる制作費流用問題について海老沢会長本人が出演して説明、謝罪する番組を１１日午後に放送することも明らかにした。
　この日発表した４件の総額は約９７０万円。（１）取引銀行の払い出し用の印鑑を不正に使い約１００万円を着服（処分は９７年１１月）（２）取引銀行の通帳を改ざんするなどして計約３００万円を着服（同００年１１月）（３）集金した受信料の一部約２００万円を着服（同０１年４月）（４）出向先の関連会社の経費約３７０万円を私的流用（同年１２月）——で、４人とも全額弁済したことなどから刑事告訴しておらず、会見では４人の所属などを明らかにしなかった。
　また海老沢会長は、職員の制作費流用問題を機に発足させた業務総点検実施本部（本部長・海老沢会長）に約６４００件の報告があったが、新たな不正は見つかっていないことを明らかにした。うち約５５００件が「問題なし」で、約９００件が「経理処理の不正防止のため一層の改善を行うべきだ」との評価だった。
　衆議院総務委員会は９日、海老沢会長らを参考人として招いて閉会中審査を行うが、ＮＨＫは「生中継しない」としている。【内藤陽】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040902-00000117-mai-soci