2004年09月02日(木) 22時03分
<三菱ふそう>クラッチハウジング不具合は推計390件(毎日新聞)
三菱ふそうトラック・バス製大型車の部品「クラッチハウジング」の欠陥問題で、国土交通省は2日、同欠陥による不具合が過去6年間で推計約390件に上ると発表した。同社への立ち入り検査で分かった。これまで同社はこの6年間で死亡事故も含め不具合は15件、12年間で計67件としてリコール(回収・無償修理)を届けており、未報告がケタ違いに多かったことになる。同省はビルフリート・ポート社長に厳重注意し(1)社内や販売会社での報告の徹底(2)守らない場合は社内処罰する規約を作る——などの再発防止を指示した。
立ち入り検査は7月15日から、同社川崎工場や販売会社5社を対象に実施し、同社から販売会社に出荷した部品である「補用品」記録の分析や担当者からの聞き取りをした。その結果、調査可能な過去3年分でクラッチハウジングの使途が判明した出荷86個のうち、破断・亀裂の交換に使われたものは54個(62.8%)あった。98年以降に出荷された同部品は620個あり、破断・亀裂の交換に使われたケースは約390件と推定した。
86個のうち本来なら販売会社から同社への商品情報連絡書(商連書)提出が義務付けられている走行中の不具合発生も3割以上あったが、大半が未報告とみられる。新たな事故・火災は見つかっていないという。
また、同部品について同社は96年にリコールを避けて内密に改修する「ヤミ改修」を実施したとされるが、ヤミ改修は96〜00年に計180件行われたことも判明した。同省は「ずさんな品質管理で、安全上極めて問題があった」と改めて認定した。
同社側は先月末、補用品記録の調査結果を公表し「これ以上の調査は困難」としたが、同省は事案の重大性からさらに多角的に実態を調べる。【武田良敬】
(毎日新聞) - 9月2日22時3分更新
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