2004年09月02日(木) 15時06分
<バイオ詐欺>大学と共同事業うたい出資集める 大阪(毎日新聞)
ベンチャー企業「微生物科学研究所」(大阪市北区)の女性社長(51)が大阪市立大とのバイオ関連の共同事業をうたい文句に、「自社が上場すれば株価が最大50倍になる」などと出資金を募り、少なくとも約30人から計約3500万円を集めた後、連絡を絶っていることが分かった。市立大は「共同事業は行っていない。名前を使われただけ」と関与を否定している。出資金は返還されず、出資者の一部が社長を詐欺容疑で大阪府警に告訴、府警は捜査を始めた。
関係者の話などによると、社長は00年7月ごろから、知人らを通じて「01年3月には上場する。上場すれば株価は上る」などとPRし、出資を募った。同社の主な営業は納豆菌を利用した水質浄化の研究だが、具体的な研究などは行われていなかったという。役員会が開かれたこともなく、ずざんな経営状態で上場も実現しなかった。
告訴した大阪府吹田市の主婦(57)は01年1月ごろ、知人の紹介で社長と会い、指定された銀行口座に同月と翌月の2回、計150万円を振り込んだ。しかし、受け取った株券は真正でなく、告訴したという。また、大阪市立大事務局庶務課は「大学の外郭団体を通じて研究を委託されたことはあるが、共同事業などは行っていない」と説明している。
登記簿などによると、同社は00年3月設立。業務は微生物の研究、開発や浄水化処理に関する業務など。01年2月ごろからは「大阪市大教授が顧問」などとPRし、大阪城の堀に水質浄化プラントを建設するなどの活動を展開していた。【田倉直彦、高橋一隆、福田隆】
(毎日新聞) - 9月2日15時6分更新
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