2004年09月02日(木) 02時30分
佐賀県弁護士会 非弁活動の会社告発へ 佐賀、長崎 不当利益3.7億円(西日本新聞)
弁護士の資格がないのに、債務整理など手続き代行や示談交渉に介入して不法に報酬を得ているとして、佐賀県弁護士会非弁委員会(前田和馬委員長)は一日、同県伊万里市の会社を弁護士法違反(非弁活動)の疑いで、近く同県警に告発する方針を固めた。同委員会の調査では、依頼者は佐賀、長崎両県の個人二十二人、金融機関や病院など七法人に上り、不当に得た利益は少なくとも三億七千二百万円を超える見込み。「だまされた」と訴える依頼者もおり、依頼者側は「被害者の会」を結成し、三日に詐欺などの疑いで同社を告訴する。
同委員会によると、同社はチラシやホームページなどで「優秀な弁護士、司法書士が登録。自己破産手続き等分かりやすく指導」などと宣伝。三万—五万円の入会金と月千円の会費を納めると、相談や融資に応じているという。
佐賀県の病院で起きた患者同士のけんかをめぐり、けがをした患者が病院に損害賠償を求めた際、同社は患者の依頼を受けて病院側と交渉。同県の建材業者の経営相談に乗った際には下請け会社を紹介し、支払いの手形をわざと不渡りにして約三千五百万円の損害を与え、支払いができなくなった建材業者の自宅を不法に占拠した疑惑も浮上しているという。
個人の支払額は少ない人で数十万円、最大で五千五百万円。同委員会は「これだけ大胆に非弁活動をしている例は全国でも珍しい」と指摘している。
これに対し、伊万里市の会社代表は「業務内容はチラシなどで分かりやすく説明している。長年付き合いがある弁護士とも相談しながら対応しており、違法行為はない」と反論している。
■非弁活動
非弁護士の法律事務の取り扱いなどの禁止を定めている弁護士法第72条によると、弁護士でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件や異議申し立て、その他の一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁、和解そのほかの法律事務を取り扱うことはできない。これに違反することを通称「非弁」という。
(西日本新聞) - 9月2日2時30分更新
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