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他に起訴されたのは、三菱自元上級執行役員花輪亮男(あきお)(63)、同社元執行役員越川忠(61)の両被告。
罪状認否で、宇佐美被告は「死亡事故に遭われた方と遺族に深くおわびし、心から冥福を祈ります」と述べたうえで「ただ、当時はハブの強度不足を疑われたこともなく、私もそう思っていた」と主張。花輪、越川両被告と法人としての三菱自もそれぞれ「宇佐美さんと同じです」などと、起訴事実を否認した。
検察側は冒頭陳述で、「国土交通省報告に備えた事前の打ち合わせで、宇佐美被告らが技術的根拠がない虚偽の報告をすることを指示した」と指摘した。
起訴状によると、横浜市瀬谷区で起きた母子死傷事故後の二〇〇二年二月一日、三菱ふそう社長だった宇佐美被告、同社副社長の花輪被告、同社品質保証・購買担当の越川被告は、ハブのリコールなどの改善措置について国から報告を求められた際、設計・製造上の欠陥が疑われたにもかかわらず、技術的根拠もなく「〇・八ミリ以上摩耗したハブは、交換すれば耐久寿命を保てる」と、虚偽報告したとされる。
三菱自の欠陥車をめぐる事件は、横浜の母子死傷事故と山口県の運転手死亡事故で、元同社幹部ら八人一法人が起訴され、この日の簡裁をはじめ三つの法廷で審理される。十月には山口県の事故で業務上過失致死罪に問われた元社長河添克彦被告(67)らの初公判が横浜地裁で開かれる。
道路運送車両法の虚偽報告は、事件当時、二十万円以下の罰金刑のため簡裁で公判が開かれた。〇二年七月の改正で個人は一年以下の懲役か三百万円以下の罰金に罰則が強化された。
横浜母子死傷事故 2002年1月10日午後3時45分ごろ、横浜市瀬谷区下瀬谷3の県道で、走行中のトレーラーの左前輪ハブが破損。直径1メートル、重さ約140キロのタイヤが外れ、歩道を歩いていた神奈川県大和市の主婦岡本紫穂さん=当時(29)=の背中を直撃した。岡本さんは外傷性くも膜下出血などで間もなく死亡。一緒にいた長男=同(4つ)=と、乳母車の二男=同(1つ)=も顔や頭にけがをした。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20040901/eve_____sya_____001.shtml