2004年08月31日(火) 16時15分
おれおれ詐欺・口座開設求刑公判 被害は46人、計3581万円 /福島(毎日新聞)
◇2被告に懲役4、5年を求刑
昨年8月に猪苗代町の80歳代の女性がおれおれ詐欺の手口で口座に振り込んだ現金をだましとられた事件で、偽造健康保険証などを使った架空口座開設を指示した東京都中野区沼袋1、無職、川村佳悟被告(35)と、保険証などを偽造した埼玉県上尾市上野、無職、北林直人被告(34)の論告求刑公判が30日、地裁会津若松支部(内田博久裁判長)であった。検察側は「おれおれ詐欺に利用されると認識しており、犯情は一層悪質」と川村被告に懲役5年を、北林被告に懲役4年を求刑した。
また検察側は、2人が02年末から03年初にインターネットの掲示板で知り合った後、2人が関与した保険証の偽造や架空口座開設によるおれおれ詐欺の被害は46人、3581万円であることを明らかにした。運転免許証の偽造は150〜200通で、健康保険証は300通だった。川村被告は200〜230口座を販売して4500万円を売り上げ、北林被告は偽造の報酬として約1000万円を受け取っていた。【町田徳丈】
◇“業績”誇り、反省少なく−−架空口座売買の川村被告
地裁会津若松支部で30日に開かれた論告求刑公判で川村佳悟被告(35)は、架空口座の売買で「相場をつくったのはウチ」と誇り、危機管理がないからだまされると主張するなど反省の情は乏しいようだ。
川村被告は、架空口座の売買では自らが運営するサイトが“業界”をリードしていたと供述。「アンダーグラウンドといわれるところは信用がなかったので、信用をつくってみようとした」と口座売買の動機を述べ、自らのサイトは「いいものをつくって渡すという評判があった」と振り返った。口座開設に悪用する保険証や運転免許証を精巧に偽造したため、“(業界で)信頼が高かった”と自慢した。
「感覚的にマヒしていた。反省している」と川村被告は最後に述べたものの、一方で「おれおれ詐欺がそんなにうまくいくのかと思った。危機管理をしっかり持っていれば」とだまされた被害者に苦言も。【町田徳丈】
8月31日朝刊
(毎日新聞) - 8月31日16時15分更新
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