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2004年08月31日(火) 00時00分

温泉の実情 関心高まる源泉の湯温は50度という岩井温泉。湯量の調節と高い天井で適温にし、かけ流しにしている=岩美町の岩井屋で朝日新聞・

「加水」・「循環」、求められる情報公開

少ない源泉のまま使える湯

 長野・白骨温泉が発端となった「温泉騒動」。県の調査では、県内に無表示で入浴剤を使っていた温泉はなかった。だが、三朝温泉のホテル1軒が、温泉の湯を1割程度に薄めていたことが発覚。違法ではないが、そもそも、熱すぎたりぬるすぎたりして、源泉のまま使える温泉は少ないのが現状だ。温泉地では、そうした情報公開のあり方にも関心が高まっている。

 県が7〜8月、温泉を利用している旅館と公衆浴場計211カ所を調べたところ、公衆浴場2カ所が表示のうえ入浴剤を使っていたが、あとは使っていなかった。

 温泉法では、温度が25度以上か、ラドンや硫黄など19種類の成分を一定量以上含むものを「温泉」としている。ただし、源泉が温泉であれば、入浴剤の使用についての規制はない。また、湯を濾過(ろか)して不純物を取り除きながら何度も使う循環濾過や、源泉を温めたり、水を加えたりすることについても法律上の問題はない。

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 同法は、施設内の見やすい場所に温泉の成分を掲示することを義務づけている。だが、水や入浴剤を入れれば、実際の浴槽内の成分は表示と異なることがあり得る。県県民生活課は「源泉ではなく、実際に入浴する浴槽の湯の成分を表示するべきでは」と指摘する。

 三朝温泉の問題のホテルは約2年前から、水道水で大量に薄めるようになり、温泉の成分表示表をはずしていたという。同温泉旅館協同組合は「全国ブランドに傷がつく」として、温泉をちゃんと使うよう改善を求め、組合のホームページにおわびを掲載した。

 米子市の皆生温泉は60〜80度と高いため、温度を下げるため水を加えている所が多い。同温泉旅館組合では、「『加水』『循環』など積極的に情報公開すべきだ」「いや、いたずらに客の不安や誤解を招くようなことはすべきではない」などと、両方の意見が出ているという。

 同組合の関係者は「いい機会と思い、情報公開の程度をどうするか議論している」と話す。

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 最近は天然温泉志向が高まり、「源泉かけ流し」の人気が高い。「湯かむり」で知られる岩美町・岩井温泉の源泉の温度は約50度。かけ流しで入浴できるのが売りだ。

 だが、同温泉旅館組合は「かけ流しでも、清潔さを保つために濾過装置を使うことがある。それなのに、『濾過はダメ』というイメージが先行している点が心配だ」とし、濾過について改めて表示はしないという。

(8/31)

http://mytown.asahi.com/tottori/news01.asp?kiji=4405