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2004年08月31日(火) 00時00分

健康手帳 デジタル化朝日新聞・

  地域住民の健康維持や介護予防に役立てようと、都と北、板橋区が、新しい健康管理システムの開発に取り組んでいる。利用者が携帯電話やパソコンを使って、自分の健康情報を送信すれば、健康対策が受信できる「デジタル健康手帳」が目玉だ。病気の予防や早期発見に役立て、医療費や介護費削減を図る狙いもある。収集した情報を地域の企業や研究機関が、新商品開発や研究にも生かして地域経済の活性化も目指す。


  名称は「北/板橋ウェルネスネット事業」。都と両区で進める地域の健康・医療・福祉活性化計画の事業の一つだ。これら自治体側と、企業や研究機関でつくるNPO法人「北/板橋ウェルネスネット協議会」を立ち上げ、10月からのサービス開始を目標にしている。

  デジタル健康手帳は、まず利用者が「転倒予防コース」「ダイエットコース」などのプログラムから、自分にあったコースを選択。1コースは月額数百円の負担となる見込みだ。

  その上で、利用者は携帯電話やパソコンで、身長や体重、血圧などの数値を送信すると、利用者が選んだコースによって健康状態に合わせた食事や運動、介護予防などのアドバイスが返信される仕組みだ。定期的な送受信によって、日常の健康管理の指針にもなる。

  健康に関するアンケートも配信され、協力すると、地元商店やスポーツクラブなど提携施設で割引してもらえるポイントサービスも計画中だ。

  個人情報を保護するため、集まったデータは匿名化して協議会で蓄積。スポーツクラブや福祉施設などに提供し、健康増進や介護予防のサービス構築に生かしてもらう。研究機関や自治体の調査・研究に活用してもらったり、企業の新商品開発の参考にしてもらったりする。健康データの分析、アドバイスの返信には地元の医師会にも協力してもらう。

  当初は高齢者を対象に、約千人の利用者を見込む。05年度以降は対象を広げ、将来は両区35歳以上人口の約1割にあたる5万人の確保を目指す。

  経済産業省の健康サービス産業創出支援事業にも採択されており、初期開発費と04年度の運営費1億数千万円については、同省からの助成金を充てる。同省は「携帯電話を双方向の健康管理に生かし、地域経済も巻き込む例は全国的にも珍しいのでは」としている。

(8/31)

http://mytown.asahi.com/tokyo/news02.asp?kiji=3300