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調べでは、同社は約五年前から「環境に優しいエコ燃料」として「ガイアックス」の商品名で高濃度アルコール含有燃料の販売を開始。法改正で市販が禁止された後も引き続き販売した疑い。同社は「改正法は天下の悪法」「政官業の癒着による新燃料つぶしに反発する」などと大々的に訴えて販売を続けていた。
高濃度アルコール含有燃料は、ガソリンに許容量を超えるアルコールを混ぜた燃料。ガソリンよりも安く、低公害という触れ込みで一九九九年ごろから全国のスタンドで販売され、人気を博した。
しかしその後、同燃料が原因で車の部品が腐食したり、車両火災が起きたりという事例が報告されたことから、経済産業省などが安全性に問題があると確認。昨年八月からは品確法が改正され、販売できなくなった。
同省は、今年に入り、販売停止の指示に従わないとして同社を含む七社の社名を公表。四月には、このうち販売を続けた同社のみにさらなる制裁措置として二週間の事業停止命令を出したが、従わないため刑事告発に踏み切った。
県警は、同社のスタンドや燃料の卸元など六カ所を家宅捜索。脱税の疑いも含めて捜査を続ける。
◇『燃料漏れはねつ造』業者反発
愛知県警が家宅捜索に入った岡崎市内の会社は、法改正の後も一貫して高濃度アルコール含有燃料(アル燃)の販売を継続。「(経済産業省の)告発は望むところ」と強気の姿勢を示し、強制捜査に対しても徹底抗戦の構えを見せている。
アル燃はアルコール成分が50%以上で、ガソリンのように揮発油税(国税)がかからないため、一リットルあたりガソリンより十円近く安い。また二酸化炭素の排出量も少ないため「低価格・低公害」が人気を呼び、取り扱うスタンドは数年で全国で三百店に達した。
しかし、当初は非課税だったアル燃に、まず東京都が軽油引取税(地方税)の課税を決定し、全国に拡大。また、自動車業界もアル燃が原因の車両火災例などを訴えてユーザーにガソリン使用を強く主張するなど、逆風が吹き始めた。
経済産業省と国土交通省は、専門家による委員会を設け、アル燃の自動車への影響を調査。二〇〇二年八月までに、燃料漏れなどが計七十七件発生し、うち四件は車両火災が起きたと発表した。昨年八月にはアル燃の使用禁止を盛り込んだ改正品確法が施行され、アル燃を取り扱うスタンド数は一気に減少した。
しかし、今回捜索を受けた岡崎市のスタンド経営会社と燃料の卸元の販売代理店は、改正法に真っ向から反発し販売を継続。両社の社長は親子。現在も、全国で約四十店のスタンドがアル燃を売り続けているが、大半がこの販売代理店から燃料を購入しており、経済産業省は再三の立ち入り検査で警告を続けてきた。
本紙の取材に対し、販売代理店の社長(74)は「国が発表した燃料漏れなどのデータはねつ造に近い。ガソリン車の車両火災発生数とリコール対象車両数に比べれば、ごくわずかな数字だ」と反発。ユーザーへの署名活動を続け、「環境保護のため国は低公害燃料を推進するべきなのに、利権が絡んだ政官業の癒着で都合のよい法律を作った。国によるベンチャーつぶしだ。告発は望むところ。裁判で徹底的に争いたい」と話した。
<高濃度アルコール含有燃料> ガソリンにアルコールやエーテル類を全体の50%を超える割合で混ぜた燃料。サトウキビや生ごみ、家畜の汚物などの生物資源や、天然ガスから抽出したアルコールなどがある。日本では5年前ごろから、国内のベンチャー企業が「ガイアックス」「イクシオン」などさまざまな商品を海外で委託生産し、輸入販売を始めた。
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20040830/eve_____sya_____006.shtml