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2004年08月26日(木) 08時33分

タンクローリーに欠陥 新明和工業製、部品鋼板厚が不足朝日新聞

 大手輸送機器メーカー・新明和工業(本社・兵庫県宝塚市)のタンクローリーの部品の一部が、消防法の基準を下回っていることが、栃木県佐野地区広域消防組合消防本部の調べでわかった。部品は、横転時にタンクローリーの余分な回転を防止する重要なもので、同消防本部は消防法違反の疑いもあるとして、改修を指示した。同様の欠陥が疑われるタンクローリーは全国に78台出荷されており、各地の消防の立ち会いの下で調査が始まった。

 同消防本部などによると、欠陥が見つかったのは8月上旬に新明和工業佐野工場(栃木県佐野市)で製造された14キロリットルタンクローリー。タンク上部の側面枠という部品の鋼板の厚さが、2.76〜2.83ミリで、消防法の基準(2.8ミリ)より薄い部分があったという。側面枠は、タンクローリーが横転した時に回転を防ぐためのもので、タンクの上部の四隅に取り付けられている。強度が弱いと余計に回転し、危険物などを運ぶタンクが破損する危険性が指摘される。

 部品の欠陥は、8月上旬に山口県内の消防本部が同社製のタンクローリーを検査した際に見つかった。

 同社によると、下請け会社に間違った鋼板を渡し、部品の製造を依頼したことが原因だという。同じ鋼板で製造された可能性が高いタンクローリー(5〜14キロリットル)は01年5月から今年8月までに78台あり、全国に出荷され、使われているという。同消防本部は、この78台について、各地の消防署(本部)の立ち会いの下、基準を下回っていないか調べるよう指示した。基準を満たしていない場合は、改修を求めるという。

 加藤幹章・佐野工場長は「責任は重大だと思う。消防本部の指示を仰いで、速やかに改修を行いたい」と話した。

    ◇

 〈新明和工業〉 特装車部門では業界1位のダンプトラックやタンクローリー、トラックミキサーを製造している。飛行艇などを造る航空機部門もある。04年3月の連結決算における売上高は約1300億円で、東証1部上場。(08/26 08:33)

http://www.asahi.com/national/update/0826/007.html