2004年08月26日(木) 00時00分

中国産はるさめの回収命令を撤回（朝日新聞・）

　　田中康夫知事は２５日の記者会見で、食品衛生法で使用が禁止されている添加物「過酸化ベンゾイル」が検出されたとして輸入・販売業者に回収命令を出した中国産はるさめなど１２種類のうち、１１種類について検査結果に誤りがあり、回収命令を撤回したことを明らかにした。国が定めた方法より検出時間を短縮した方法を取ったため、別の物質が示したデータを過酸化ベンゾイルと読み違えてしまったという。

　　知事は「心からおわびする」と述べた。すでに各商品を取り扱う輸入・販売業者には県職員を派遣して謝罪したが、改めて新聞広告やホームページで謝罪と経過説明をするという。

　　県によると、県内で販売された中国産はるさめ１１種類と台湾産ビーフン１種類の計１２種類から、県環境保全研究所の検査で過酸化ベンゾイルが検出され、７月末と今月初めに回収命令を出した。しかし、業者などから疑問が寄せられたため、高性能の検査機械がある埼玉県の衛生研究所に再検査を依頼した結果、はるさめ１種類以外は検出されなかった。

　　すでに回収を始めていた業者からは、県に賠償を求める声が出ている。

　　板橋貿易（東京都中央区）は回収命令を受けたあと、自主検査と地元の保健所の検査で問題がないことを確認したという。卸先が回収作業を始めているが、被害額が具体的に判明した段階で、損害賠償を求めるかどうか検討したいという。

　　また、日本生活協同組合連合会（東京都渋谷区）も「長野県がどんな態度を取るかをみてから、対応を検討したい」としている。

　　田中知事は会見で「まずはおわび」と繰り返し、損害賠償への対応については明言を避けた。
（8/26）

http://mytown.asahi.com/nagano/news02.asp?kiji=4607