悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2004年08月26日(木) 14時39分

「宿泊満足度」捏造で高評価 和歌山・白浜のホテル朝日新聞

 和歌山県白浜町湯崎のリゾート宿泊施設「ホテルマーキーズ」(片桐正二郎社長)が、旅行会社JTBの顧客アンケートを捏造(ねつぞう)し、結果的にJTBの宿泊施設ガイド誌で高い評価を得ていたことが分かった。社員が客を装って予約し、自作自演で「投票」していたという。同ホテルは、この事実を内部告発した従業員を6月に解雇していた。ホテル側は捏造の事実を認めているが、解雇については「健康上の問題で、告発と無関係」としている。

 ホテルによると、捏造したのは、JTBガイド誌「満足度90点以上の宿」のアンケート。宿泊者が宿の設備や料理、サービスなど7項目に答える形式で、前社長が幹部社員3人に指示し、JTB窓口で予約を入れて用紙を入手、高い評価を付けて返送させていた。

 捏造は99〜03年度にかけて計54通に上り、その結果、同期間のガイドで同ホテルは「90点以上の宿」に何度も選ばれ、料理などの写真とともに紹介記事が掲載されていた。ガイドの発行部数は約25万部。最新号は03年秋に発行され、800円で市販されている。

 同ホテルは5階建てで全16室。元旅館をホテルの親会社が買い取り96年に開業した。

 捏造は昨年12月に男性従業員の内部告発で分かった。前社長は発覚直後に責任をとって辞職し、不正にかかわった幹部社員3人が譴責(けんせき)処分とされた。ホテルは同時に、広告やホームページから「90点以上の宿」という言葉を削除した。

 一方、同ホテルは男性従業員を今年6月に解雇した。男性はパートとして採用され、調理部門で働いていた。解雇を通告したのは、処分を受けた総料理長だった。男性は解雇によって精神的苦痛を受けたとして損害賠償請求訴訟を和歌山地裁に起こしている。

 佐々木孝総支配人は「お客様をはじめ、白浜の同業者、JTBに多大な迷惑をかけて大変申し訳ありません」と話している。

 JTBの西山恒夫広報室長は「アンケートの真偽を点検するのは難しく、対策を検討中だ」と話している。(08/26 14:33)

http://www.asahi.com/national/update/0826/016.html