2004年08月23日(月) 15時42分
中国:「ポルノサイト閲覧者まで逮捕」で波紋(サーチナ・中国情報局)
ポルノサイトの取り締まりを進める中国において、今度は、ポルノサイトを閲覧したエンドユーザーが警察に身柄を拘束された。サイトを製作したわけでなく、家の中で、インターネットに接続して、クリックしただけで逮捕された例は中国でも稀有で、物議をかもしている。北京晨報が伝えた。
事件は9日、四川(しせん)省の警察当局は、浙江(せっこう)省のあるポルノサイトのBBSなどの書き込みから、今年3月21日と7月11日に二度アクセスしたユーザーの詳細データを入手、翌日、ポルノサイトを閲覧したとして、2人の容疑者の身柄が拘束されている。
この件に関して、中国においても世論が真っ二つ。「ポルノサイトの閲覧は完全に個人の行為」として、「転送や他人の妨害などしなければ問題にならないはず」との見方が強い。また、中国政法大学行政法研究院の何兵・副所長は、「個人的な道徳観に基づくものであり、公共秩序に反するものではない」と、やはり警察当局のやり方を批判。
以前までに、中国公安部では条例を制定、公表していた。いわゆる「33号令」と呼ばれるこの条例では、ポルノサイトの閲覧を禁じている。これに対して、何・副所長は、「確かにこの条例では閲覧は禁じているものの、違反者の身柄の拘束までには言及していない」として、今回の件が「行き過ぎ」だとコメント。
一方、警察当局では、その違法性を強調して今回の違反者の身柄拘束の正当性を主張。四川省の警察当局では、「33号令」を前面に出して、違反者に対する罰金などが明記されているとして譲らない。それによれば、個人に対する罰金としては、5000元以下となっているという。(編集担当:鈴木義純)
(サーチナ・中国情報局) - 8月23日15時42分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040823-00000013-scn-int