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2004年08月23日(月) 03時03分

<パスポート>指紋、虹彩使い認証実験 政府が来年1月から毎日新聞

 政府は、国民の旅券(パスポート)に顔写真や指紋、虹彩(瞳の模様)を記録して個人認証に活用する実験を来年1月から始める方針を固めた。顔写真を入力したICチップ付き旅券の来年度中の導入を目指しているが、指紋や虹彩を含めることについては個人情報保護との関連で慎重論も根強く、外務、法務など関係省庁が検討に着手した段階。まず政府職員を対象に実験し、実効性を確認することにした。
 実験では、民間企業などですでに導入されている読み取り・照合装置を旅券用に改良し、成田空港に数台を設置。法務省などの職員数百人分の顔写真と指紋、虹彩をICチップに入力し、出入国管理の本人確認にどれだけ有効かを確かめる。顔写真照合システムのノウハウ作りにも生かす方針だ。
 顔写真や指紋などの生体情報による個人認証システムは「バイオメトリクス」と呼ばれ、テロリストの出入国を防ぐ対策として注目されている。01年の米同時多発テロ後、欧米を中心に導入を検討する動きが広がり、特に米国は顔写真をICチップ化した旅券の導入を各国に求めるとともに、入国する外国人の指紋採取や顔写真登録をすでに始めている。
 指紋、虹彩は顔写真に比べ個人を識別できる精度がきわめて高いが、政府による指紋採取への抵抗感も強く、認証方法に加えるかどうかは実験結果や国内世論、外国の動向などを見極めながら判断することになる。
 また、読み取り機器が悪用されると、かばんやポケットに入れた旅券のICチップから個人情報が盗み取られる危険性もある。このため、実用化の際は暗号化などの防御策も課題になる。
【田所柳子】
(毎日新聞) - 8月23日3時3分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040823-00000012-mai-pol