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2004年08月23日(月) 07時04分

無許可掘削問題 ブランド死守に躍起 宮城県内の温泉地河北新報

 作並温泉(宮城県仙台市青葉区)の旅館「山水亭」が無許可で温泉を掘削・利用していた問題が、県内の温泉街に波紋を広げている。県は26日にも、県内にある約500の温泉施設へ立ち入り調査を行う。温泉旅館側は県の調査を待たずに独自の調査で「潔白」を証明したり、旅館組合の組合員同士が源泉を確認し合うなど、長い年月をかけて築き上げた「温泉ブランド」の死守に躍起になっている。

 鎌先温泉旅館組合(白石市、5軒)は20日の会合で、組合員同士で互いの源泉をチェックすることを決め、即座に実行した。一條達也組合長は「隣同士でも他の旅館の源泉を見たことがなかった。鎌先温泉の源泉は間違いがないことが、あらためて確認された」と正真正銘の温泉街であることをアピールする。

 県内最大の年間約93万人の宿泊客数を誇る秋保温泉(仙台市太白区)では、秋保温泉旅館組合(16軒)が各施設の浴槽ごとに温泉の使用状況を表示するなど、独自の対応策を決めた。情報公開を徹底し、利用客から信頼を得るのが狙いだ。

 同組合は組合員アンケートも行い、不当表示の有無などをただした。その結果、入湯税を徴収していない組合員に、「温泉」との誤解を招く表示をしないよう指導した。

 鳴子温泉旅館組合(鳴子町、22軒)は22日、緊急の会合を開いた。全組合員対象の実態調査を行うことを決め、湯の種類などを問う調査票を配布するという。大崎正和組合長は「各旅館に源泉があり湯量も豊富。不正表示は考えられないが、実態を再確認したい」と強調する。

 山水亭は温泉の無許可掘削・利用が発覚するまで作並温泉旅館組合(6軒)に加盟していた。組合の多くは親睦(しんぼく)団体のため、温泉がない旅館が加盟するケースも少なくない。ただ、他の組合からは「非組合員の行為であっても温泉地全体のイメージが損なわれる。組合員であれば一層高いモラルが求められる」との指摘もある。

 遠刈田温泉旅館組合(蔵王町、15軒)の場合、「温泉を持っている施設」が加盟の条件。申請には、公的機関に提出した温泉に関する書類を提出させる徹底ぶりを貫く。佐藤純一組合長は「厳しいと思われるかもしれないが、組合加盟の温泉旅館なら、どこでも自信を持ってお客さまに勧められる」と力説する。

 鳴子町内にある鳴子、川渡、鬼首、東鳴子、中山平という5つの温泉旅館などが加盟する鳴子町観光協会の高橋宣安会長は「温泉業界全体のイメージダウンが心配だ。利用客にうそをつけば、結局はしっぺ返しを食らう」と警鐘を鳴らす。
(河北新報) - 8月23日7時4分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040823-00000006-khk-toh