2004年08月21日(土) 17時20分
筋湯温泉「廃水」報道 「温泉のイメージが…」−−関係者に困惑、憤り /大分(毎日新聞)
◇温泉分析表の非掲示は県が改善指導
週刊誌「週刊ポスト」9月3日号で「地熱発電所の廃水が使われている」と指摘された筋湯温泉の旅館関係者には、秋の旅行シーズンを前に困惑の色が広がった。筋湯温泉がある九重町役場で会見した筋湯温泉旅館組合の甲斐文徳組合長は「『廃水』などと間違ったことを書かれ、温泉のイメージが悪くなる。これでお客が減ってしまうと非常に困る」と憤った。
県も会見し「廃水ではなく、発電用蒸気を有効利用した温泉水」と記事に真っ向から反論した。温泉地・大分の風評被害を抑えるのが目的で、県は同誌への抗議などは考えていない。ただ、記事で指摘された共同浴場の打たせ湯が、温泉法で定められている許可済み票と温泉成分を掲示していなかったため、改善指導した。
県の主張は(1)オーバーフロー水は蒸気の残りを冷却したもので「廃水」ではなく温泉水(2)地熱発電で余った蒸気にわき水を混ぜ、温泉とするのは温泉法上問題ない(3)「自然噴出」「掛け流し」の表現は温泉法や不当表示法から判断し、違法とは言えない——など。
県は今後、筋湯温泉の34施設の適正表示などの実態調査を9月末までに実施する。会見した武田寛・企画振興部長は「廃水と書かれると、いかにも工場から出た汚水のように誤解されかねないが、実態は違う」と話した。
九重町には今年3月末現在、393カ所の源泉があり、うち筋湯地区は54カ所。【平野美紀、大島祥平】
8月21日朝刊
(毎日新聞) - 8月21日17時20分更新
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