2004年08月20日(金) 03時14分
国費で高速料金値下げ、来年度600億円投入(読売新聞)
国土交通省は19日、税金を財源に高速道路の通行料金値下げを行う方針を固めた。総額600億円の関連予算を2005年度予算の概算要求に盛り込む。
値下げ分の原資を日本道路公団に交付し、利用者に還元する仕組みで、高速道路の値下げのために国費を本格投入するのは初めてとなる。主に地方の高速道路が対象で、利用の促進や一般道路の渋滞緩和が狙いだが、「公団の事業に国費を投入しない」とした政府の閣議決定に反する、との批判が出る可能性もある。これについて国交省は「渋滞緩和で公共の利益につながる。国費は利用者に還元するので、閣議決定の趣旨に反しない」(道路局)と説明している。
高速道路の料金を巡っては、道路公団のコスト削減で平均1割の料金値下げを行うことが決まっているが、国費による値下げは、これとは別枠で実施する。道路特定財源で、値下げ分を穴埋めする。値下げで高速道路の利用が増え、並行する一般国道の渋滞が緩和されることなどを値下げ対象区間の条件とする。国費を利用増加の呼び水とし、対象区間の収支改善も狙う。
今年度、地方自治体と共同で関越自動車道(新潟県)や第2東名高速道路(名古屋市)の一部など、約40区間で、主にノンストップ自動料金収受システム(ETC)利用者を対象に最大75%を割り引く実験を行っている。利用増などの効果が高い区間から順に、国費を使ったETCの割引区間に切り替える考えだ。
2001年12月に閣議決定された特殊法人等整理合理化計画では、道路公団の事業に「2002年度以降は国費を投入しない」と明記されている。
◆ETC=高速道路の料金所で車を停止させず料金の支払いができるシステム。車載器が発する電波を、料金所に設けられた機器が感知して課金する。普及が進めば渋滞緩和に効果があるとされる。全国の高速道路利用者に占める利用率は7月末で19%程度で、国交省が普及拡大を目指している。
◇Electronic Toll Collection System
(読売新聞) - 8月20日3時14分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040820-00000101-yom-bus_all