2004年08月20日(金) 00時00分
中央病院 モルヒネ10倍投与(朝日新聞・)
院長もミス認める 県立中央病院(甲府市富士見1丁目、高相和彦院長)で昨年3月、膵臓(すい・ぞう)がんの患者に痛み止めのモルヒネを医師が処方した量の10倍投与するミスがあったことが19日、分かった。このミス直後、患者は声をかけると目を覚ます「傾眠」となった。患者は2カ月後、がんによる上部消化管出血で死亡した。高相院長は「病院としてあってはならないミス。だが死亡との因果関係はまったくない」と話している。
同病院によると、03年3月17日、がんで入院中の甲府市内の50歳代の女性患者に、1回あたりモルヒネ0・02グラムを蒸留水に溶かして服用させるべきなのに、病院内の薬剤師が誤って0・2グラムを溶かして調剤。患者は同日中に3回分を服用した。
翌朝、薬剤部長が処方箋(せん)と使用量を照合して、ミスが分かった。看護師が患者の様子を見ると傾眠状態になっていたが、その日のうちに回復したという。
患者は02年12月に上腹部痛で入院。膵臓のほか胃などにもがんが転移していた。入退院を繰り返し、ミス後の4月18日にいったん退院した。患者は入院中、1日に6回分、モルヒネを服用していたという。
同病院では今春、患者が負担した医療費17万円を家族に返し、見舞金として2万円を渡した。薬剤師と薬剤部長に口頭注意し、処方箋を出す方法を変えたという。
(8/20)
http://mytown.asahi.com/yamanashi/news02.asp?kiji=7608
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