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2004年08月20日(金) 00時00分

伊香保町温泉調査 水道水浴槽併用19軒調査の経緯を説明する村尾隆史助役(中央)朝日新聞・

 伊香保温泉の一部の旅館やホテルで、水道水などを使用しながら温泉と偽っていた問題で、伊香保町は19日、町内計57施設に対する温泉緊急実態調査の結果を発表した。温泉を使わず水道水などを沸かして使用していた7軒の施設のほか、温泉を使っている19の施設についても、温泉浴槽と併用する形で水道水などを使った浴槽を設けていることが明らかになった。町は併用については「問題はない」としているが、表示などが適切かどうか、今後も正確な実態調査を継続し、信頼回復に努める方針だという。

 町によると、温泉水を使っていなかったとされる施設は、先に公表されていた通り7軒のままで、数字の変化はない。このほか、温泉を引いている施設でも、家族風呂やジャグジーなどに水道水などを使っている施設が19を数えた。中には、露天ぶろや大浴場に水道水を使った施設もあった。

 このほか新たに分かったのは、温泉水に水道水を加えるなどの加水をしていた施設が18あったこと。だが、それぞれの施設でどのくらいの割合で加水していたかの実態は不明。また、加温については、常時加温している、と答えた施設が36、季節的に加温しているのが11あった。

 浴槽の湯を入れ替える入れ替え頻度は、「毎日」が22施設、「2日に1度」が8、「3日に1度」が10。「7日に1度」が26で最も多かった。その他、180日に1度という施設もあった。

 会見で、関係者でつくる対策本部調査委員長の村尾隆史助役は「町に調査権限はないが、道義的責任として調べた」とし、今回調査票で調べた7項目と、町が独自に調べた4項目について、ホームページなどで公開する方向で検討する方針を示した。

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■「水増し」つかめぬ実態■

 「実態は分からない。調査基準がないので、現場の調査員も混乱した。出来れば県や国に、調査基準をつくってもらいたい」。伊香保町が19日の会見で明らかにした18の宿泊施設などの加水の実態について、担当者は、何度も繰り返した。

 温泉の加水は通常だと湯温を下げるために行われるが、伊香保温泉の二つの源泉は「黄金の湯」が42〜43度、「白銀の湯」が12〜13度で、加水はほとんど必要ないとされる。ある旅館関係者は「水増ししていたと批判されても仕方ない」と言う。

 「白銀の湯」は「黄金の湯」に比べて毎分の湧出量(ゆうしゅつりょう)は10分の1にも満たない約300リットル。これを30軒あまりの施設が使っており、大量に使用する施設では絶対量が足りず、水道水などを加えざるを得ない、という。今回の偽表示疑惑が表面化して以来、「加水率を下げて、白銀の湯の使用割合を増やした施設が増えたようで、配管からの湯の勢いが急に落ちた」と嘆く旅館も出ている。

 町担当者は「年間の総量に対してどのくらいの割合で使っているのか、とか、どの時期の使用割合をいうのか、はっきりした基準がないと、町では限界がある」と振り返った。


(8/20)

http://mytown.asahi.com/gunma/news01.asp?kiji=3817