2004年08月20日(金) 00時00分
県立病院手術で男性死亡(朝日新聞・)
血管をふさいだまま抜けなくなった直径3・5ミリの小さなバルーン。狭心症を患っていた40代の男性の命を奪ったバルーンを巡り、手術した県立北上病院と器具の製造メーカーの言い分が分かれている。器具の不具合か、医師の手順ミスか。県警は病院、メーカーの両者から、業務上過失致死の疑いもあると見て事情を聴く方針だ。
県立北上病院によると、亡くなった男性患者から抜けなくなったのは、ボストン・サイエンティフィック社製のバルーンつきカテーテル。同病院の循環器科の男性常勤医が、狭くなった冠動脈の一部を広げるために使っていたという。
20日に会見した病院側の説明では、事故は膨らんだバルーンから液体が抜けなかったことが原因という。バルーンが膨らみにくかったという事実があったものの、担当医師の手順などに問題はなかったとしている。
厚労省によると、事故の起こる直前の7月20日、問題になった器具と同じものが、ボ社の自主回収の対象になっている。
回収理由は今回の事例と同様に、バルーンから液体が抜けにくくなる可能性があるというものだった。しかし、同病院に出荷したものは、ボ社の検査で「不具合が発生する可能性がない」とされたもので、自主回収の対象とはなっていなかった。同病院も、事故があるまでこの事実を知らなかったという。
同病院の後藤勝也院長は「この事故の原因が自主回収されたものと同じかどうかは分からないが、事前に知っていれば、この器具を使わなかった」と話している。
これに対し、ボ社の日本法人は「病院の見解とはずれがある」とした上、「出荷した製品には万全を期している。事故にはその状況により、さまざまな原因が考えられ、現段階では死亡の原因を特定することはできないと考えている」と話している。
北上署と捜査1課は、事故のあった器具を回収し、現在は器具の不具合と手順のミスの両にらみで事実関係の確認を進めている。今後は、業務上過失致死の疑いもあるとみて捜査するという。
(8/20)
http://mytown.asahi.com/iwate/news02.asp?kiji=6126
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