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2004年08月20日(金) 21時02分

心臓手術で男性死亡 岩手県立北上病院、過失は否定朝日新聞

 岩手県立北上病院(北上市、後藤勝也院長)は20日、心臓手術で挿入した医療器具が抜けなくなり、県内の40代男性が急性心筋梗塞(こうそく)による心不全で死亡した、と発表した。同院は「医療行為に問題はなく、器具の不具合によるものだと考えている」としている。同院から報告を受けた県警は業務上過失致死の疑いもあるとみて調べている。

 同院によると、7月29日、男性は狭心症の治療のため、心臓にカテーテル(管)を挿入して先端のバルーン(風船)を膨らませて血管を広げ、そこにステントと呼ばれる金網状の筒を置く手術を受けた。ところがカテーテルを抜く際にバルーンが縮まず、男性の血管をふさいだままになった。

 男性は同日夕に県立中央病院(盛岡市)に搬送されてバルーンを除く開胸手術を受けたが、8月1日に転送先の東北大医学部付属病院(仙台市)で死亡した。

 バルーンのメーカー「ボストン・サイエンティフィック・ジャパン」(東京)によると、バルーンが縮まない例は、これまで海外の死亡2件を含む27件があるという。

 同社は事故前の7月20日、「器具の風船が縮まなくなる不具合がある」と厚生労働省に届け出ていた。ホームページでも公表し、一部自主回収していたが、今回使われたものは対象ではなかった。病院側は自主回収について「会社側から連絡を受けていなかった」と話している。(08/20 20:23)

http://www.asahi.com/national/update/0820/023.html