2004年08月18日(水) 00時00分
井戸水沸かし「温泉」 作並の旅館が偽表示(朝日新聞・)
県内有数の温泉地、作並温泉の旅館「山水亭」(仙台市青葉区作並)が井戸水の沸かし湯を使いながらホームページなどに「温泉」と表示していたことが分かった。同温泉旅館組合が17日、加盟する旅館・ホテル計7軒に現状を聞いたところ、山水亭が認めた。一連の全国的な温泉騒動で、県内の温泉で偽表示が発覚したのは初めて。県生活・文化課は、近く景品表示法に基づき同旅館の調査に乗り出す方針だ。
同旅館によると、95年の開業以来、敷地内の井戸水を加温して使っていた。作並温泉は、肌によく、月経障害や高血圧症などに効くとされるが、この井戸水にこうした効能があるかどうかは調べていないという。
だが、同旅館はホームページで浴場を「温泉」と紹介。宮城・山形観光推進協議会のパンフレットにも、効能がある「作並温泉」の一施設として記されている。雑誌には「泉質 単純温泉」と書かれたものもある。
こうした表記について同旅館を経営する太陽観光開発(同区一番町)の成沢久男社長は「従業員のうっかりミスだが、誠に申し訳ない。組合は脱退する」としている。旅館組合の森谷寛組合長は「作並全体のイメージが低下しかねず残念だ。ほかの6軒では、山水亭のようなことはない」と話す。
一連の温泉騒動では、長野・白骨温泉や群馬・伊香保温泉などで、入浴剤の使用や偽表示などが続々と発覚した。
これを受けて調査に乗り出している自治体もあるが、宮城県は「具体的な疑惑がない」などとして全県的な調査は実施していない。その背景には「もし発覚したら、施設の経営に悪影響を及ぼす」(県当局者)との懸念がある。
(8/18)
http://mytown.asahi.com/miyagi/news02.asp?kiji=5611
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