2004年08月17日(火) 00時00分

刃物男が他人名義の通帳 おれおれ詐欺が目的？ （東京新聞）

　県警機動捜査隊員が刃物を持って暴れた男に発砲した事件で、公務執行妨害と銃刀法違反の現行犯で逮捕されたひたちなか市湊泉町、無職大森忠之容疑者（５９）が持っていた他人名義の銀行口座通帳は、おれおれ詐欺に使われる目的だった可能性があることが十六日、ひたちなか西署の調べで分かった。

　県警は六月下旬、詐欺容疑で同月上旬に大森容疑者に通帳を売った無職男（５６）＝同罪で公判中＝を逮捕した。同署は、大森容疑者がおれおれ詐欺を行い、被害者から金を振り込ませる目的で通帳を譲り受けた可能性もあるとみて調べている。口座にはこれまで、多額の現金が振り込まれた形跡はないという。

　県警によると、おれおれ詐欺事件の多くは、現金を指定した口座に振り込ませて金をだまし取る手口。その際に使用する口座は（１）実在する人物から口座を買い取る（２）偽造の身分証明書で架空の人物の口座を作る−などの方法が用いられているという。

　しかし、こうした口座から犯行が露見する可能性が高いため、口座を入手するには困難が伴う。関東一円で犯行を繰り返し、県警が詐欺容疑で逮捕した千葉県を中心とする詐欺グループは、口座を設けることができず、宅配便を使って現金を受け取っていたという。

　同署は、大森容疑者のけがの回復を待ち、盗品等有償譲り受け容疑で再逮捕する方針で、預金口座の使用目的、入手の経緯などを追及する見通しだ。　

　　（布施谷　航）

http://www.tokyo-np.co.jp/00/ibg/20040817/lcl_____ibg_____002.shtml