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日本の大手企業の経営首脳が、同じ業界のライバル会社のトップになるのは極めて異例。
ボーダフォンは、高速でデータ通信できる第三世代携帯電話の開発が遅れて販売が低迷し、七月末の携帯電話契約数が大手で初めて「純減」を記録するなど苦境にある。ドコモの技術開発責任者だった津田氏を引き抜いてトップに迎えることで、事業をてこ入れしたい考えだ。
津田氏は今春、ドコモ社長への就任がほぼ決まっていたが、持ち株会社のNTTが難色を示し取り消された経緯がある。六月中旬まで副社長を務め、その後関連会社の社長に就任したが、ドコモ社内からは「功労者に対してひどい扱いでは」との声も上がっていた。津田氏は関連会社社長も十五日付で辞任した。
現在、ボーダフォンの暫定社長を務めるブライアン・クラーク氏は、津田氏の社長就任後も取締役会議長として業務を続ける。
■iモード主導 社長レース敗れ転身
「今日からボーダフォンの津田に生まれ変わった。私の経験を高く評価してくれたので、(会社を)移ろうと思った」
ボーダフォン新社長に決まった津田志郎氏は十六日の記者会見で、古巣NTTドコモへのさまざまな思いを断ち切るかのように言い切った。
ドコモ時代は「技術畑」を歩み、国際事業本部長などを歴任。その後、一時は社長昇格が内定したが、持ち株会社のNTTが難色を示して覆ったとされる。
ボーダフォンホールディングスのブライアン・クラーク取締役会議長は「ドコモ時代に第三世代携帯の基礎を築き、インターネット接続サービス『iモード』事業で中心的な役割を果たした」と、津田氏の経験や実績に期待を寄せる。
業界では、料金引き下げや定額制導入で競争が一段と激化。
ボーダフォンは苦戦を強いられており、「中長期的な競争力の強化に貢献してもらえる」と、新社長に経営立て直しを託す。
津田氏は二〇〇三年、米タイム誌の「世界で影響力のある二十人」に選ばれた。五十八歳。
津田 志郎氏(つだ・しろう)慶大院工学研究科修了。七〇年日本電信電話公社(現NTT)入社。九六年ドコモ取締役、副社長を経て〇四年六月ドコモエンジニアリング社長。神奈川県出身。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20040817/mng_____kei_____007.shtml