2004年08月17日(火) 16時25分
おれおれ詐欺 被害高額化、平均139万円に−−今年上半期 /埼玉(毎日新聞)
◇県警「必ず本人に確認を」
親族になりすましたり、交通事故をでっち上げて弱みにつけ込むなどして金をだまし取る「おれおれ詐欺」の被害が高額化している。県警捜査2課のまとめだと、昨年は1件あたりの平均被害額は約85万円だったが、今年1〜6月の上半期の平均は約63%増の約139万円になった。今月に入ってからも5日に草加市と長瀞町で1000万円を超える「おれおれ詐欺」が相次ぎ、16日には熊谷市の無職の男性が780万円を取られる詐欺があった。県警では「自分だけで判断せず、必ず本人に事実確認をするように」などと注意を呼びかけている。
◆被害の高額化
昨年1年間の既遂件数は378で被害総額は3億1766万円だった。今年上半期は同211件で、半年で約2億9355万円に達している。高額の被害に遭っている人は、現金を指定口座に振り込んだ後、さらに理由を変えてかかってくる電話で、繰り返しだまし取られているケースが多いという。
◆組織化と巧妙化
高額のおれおれ詐欺は個人ではなくグループによるものとみられ、電話をかける役、現金を下ろす役など役割分担しているらしい。被害に気づいて、口座凍結を金融機関に依頼しても、あっという間に現金はなくなっている。口座のほとんどは違法に売買され、犯行グループの割り出しは難しいという。
◆詐欺の手口
今年上半期の手口で最も多かったのは、交通事故の示談金名目で68%を占めている。警察官を名乗ったり、被害者の「家族役」が泣き声を上げたり、弁護士を名乗る男が示談を持ちかけるケースもある。「示談金」として振り込んだ後、事故の相手が妊婦で破水したなどとしてさらに現金を要求することもある。警察が示談をあっせんしたり、金額を提示することはありえない。
県警は被害を防止する方法として(1)冷静に落ちついて行動する(2)本人や家族に確認、相談する(3)不審に思ったら警察に相談するように呼びかけている。【高島博之】
8月17日朝刊 (毎日新聞)
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