2004年08月16日(月) 04時33分
有害図書・ビデオから子供守る コンビニなどに巡回員(産経新聞)
来年度からPTA、教職員ら参加
成人向け雑誌やアダルトビデオのような有害情報から子供を守るため、文部科学省は来年度から、地域の大人がコンビニエンスストアやビデオ店を見回る巡回員制度を創設する方針を固めた。また、親子を対象に、既に実施しているメディア対応能力(メディア・リテラシー)を高める講座の内容を拡充するなど、有害情報から子供を守る仕組みづくりに本格的に取り組む。
アダルトビデオや成人向け雑誌などの販売環境をめぐっては、雑誌を梱包(こんぽう)して立ち読みをできなくしたり、ビデオに「十八歳未満禁止」のシールを張ったりといった対策を講じている地域もあるが、現実には、コンビニの商品棚には大量の成人向け雑誌が陳列されるなど未成年でも容易に入手できる状況だ。
都道府県の青少年条例の大多数は、有害図書の未成年への販売を禁じているにもかかわらず、大半の販売店は年齢確認を怠っており、実効性を伴わない欠陥条例との反省も出ている。
地域巡回員制度は、こうした現状を改善するため、有害情報から地域ぐるみで子供を守ることをめざす。
各地に学校の教職員やPTA、警察、有識者で構成する実行委員会を設立し、地元のコンビニやビデオ店を巡回。有害図書の区分陳列や販売時に、購入者の年齢確認が行われているかを調査するとともに、有害図書の自動販売機の撤去を申し入れたり、性風俗店の広告ビラをはがしたり、といった活動を行う。
また文科省は、家庭での対策として、子供自身の情報への対応能力を向上させるため、今年度から親子を対象に始めている「メディア・リテラシー育成講座」の内容を拡充する。
子供とインターネットをめぐっては、最近も長崎県佐世保市で起きた小六女児殺害事件の背景にネット上で会話する「チャット」でのトラブルがあったとされるなど、安易な利用が深刻な事態を引き起こす可能性が指摘されている。
講義にはネットを利用する際のマナーや、掲示板に書き込む際の注意点など、ネットで情報発信する際の注意点も盛り込み、全国数十カ所でモデル事業として実施する方針だ。
文科省では「講座を受講し、親子そろって情報社会を生き抜く力を身につけてほしい」としている。(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040816-00000019-san-soci