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街角の情報化を具体化しようとしているのは東京や愛知に本社を持つ自販機関連三社のグループだ。
これらの企業が管理する自販機にアンテナを載せ、周囲にあるパソコンなど情報端末が無線を通じてインターネット接続できるようにする。
半径約五十メートル内で接続が可能。自販機の売り上げ増に期待し将来とも利用は無料を目指している。
名古屋で今月中にもスタートし、年内には全国で約一千台に広める考えだ。将来は日本にある飲料関係だけで約二百六十万台、たばこ用などを含めると五百万台以上ある自販機が情報拠点になる可能性を秘めている。
東京の通信ベンチャーも、来年末から全国の自販機約十万台にアンテナを設置する計画を発表した。
日本が目指すユビキタス(どこでもコンピューター)社会実現のためには、全国に無線アンテナをきめ細かく張り巡らす必要がある。
すでに大きな駅や飲食チェーン店などには利用者サービスとして全国で五千カ所以上のアンテナが施設の天井などに設置されている。自販機が利用できれば、アンテナ数増加に強力な援軍となる。
近い将来、インターネット技術を利用したIP携帯電話のアンテナを自販機に付ける検討も進んでいる。IP携帯は料金が高いとされる従来の携帯と異なり、ほぼ無料(プロバイダーの基本料金は別)で通話ができるのが特徴だ。
IP携帯のアンテナを全国に張り巡らすには莫大(ばくだい)な費用が掛かる。このため企業の新規参入を難しくしているが、自販機は、有力な解決策となりそうだ。
だが、自販機の利用が本格化する前に、考えておかねばならぬことがいくつかある。その一つは電波の盗聴や個人情報の漏洩(ろうえい)を防ぐ安全対策だ。
安全対策の技術方式はいくつか決まっているが、複数あるどの方式をつかったらよいのかなど、利用者を戸惑わせることが多い。結果として、安全対策をしないまま接続することが少なくない。
将来は自販機が非行の温床とならないよう深夜や年少者の利用をある程度制限するなどの社会的ルールの検討も必要だろう。自販機の活用には期待したい。だが、犯罪防止や安全確保への十分な気配りも大切だ。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20040814/col_____sha_____004.shtml