2004年08月12日(木) 00時00分
注射取り違え患者死亡(朝日新聞・)
鶴岡協立病院 事前に氏名確認せず 鶴岡市文園町の鶴岡協立病院(佐藤満雄院長)の内科病棟で9日、女性看護師(21)が入院していた80代の男性に誤って別の患者の薬を注射し、男性が約8時間後に死亡していたことが11日分かった。同病院が記者会見して明らかにした。病院は医療ミスを認め、遺族に謝罪。鶴岡署と県などにも報告した。同署は業務上過失致死の疑いもあるとみて関係者から事情を聴くなどしている。
病院によると、死亡したのは鶴岡市に住む男性患者で、7年前から高血圧症や肺炎などを患い通院していたが、食欲が著しく低下したため7日から入院。抗生物質の注射治療を受けていた。
女性看護師は9日午後3時50分ごろ、抗生物質が入った男性患者用の注射器と、カリウム補給剤が入った別の患者用の注射器を準備。注射器が同じ大きさで、薬も無色透明だったため、男性患者用の注射器に本人の氏名を書くなどした上、2本を同じトレーに入れて、病室に運んだ。
だが直後に男性患者に注射した際、注射器の名前や伝票を確認せず、誤って名前のないカリウム補給剤を注射。男性は呼吸が停止、10日未明に死亡した。本来、薄めて投与する高濃度カリウムを直接注射され、心臓に負担がかかったらしい。
女性看護師は今年4月に採用されたばかりといい、佐藤院長は「注射の前に名前を確認すれば起きなかった事故。遺族の方に深くおわび申し上げる」と謝罪した。病院は有識者も含めた委員会を設け、再発防止策などを検討するという。
県内では今年に入り、山形市立病院済生館や県立日本海病院(酒田市)で、医療ミスによる死亡事故が起きている。
(8/12)
http://mytown.asahi.com/yamagata/news02.asp?kiji=5599
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