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2004年08月11日(水) 22時34分

不届き者のお届け物にご用心!薬物密輸に国際郵便読売新聞

 国際郵便を悪用した薬物密輸が増加しているが、摘発を逃れるため、受取人を知人らにして摘発をかわす手口が、この1、2年各地で使われだした。

 事情を知らない受取人が、突然、密輸の疑いで捜査当局から追及される事態になっており、東京、大阪税関などは、安易に受取人にならないよう、呼びかけている。

 関西空港内にある大阪外郵出張所。今年3月、金沢市内の女性あてにブラジルから届いた木製壁飾りの中からコカイン約300グラム、別の石川県小松市内の女性あての料理本から同約200グラムが発見された。

 大阪税関が、受け取りを確認後、2人に事情聴取したところ、金沢市に住む同じナイジェリア人の男から「代わりに受け取ってほしい」と頼まれていたことがわかった。

 同税関と大阪、石川両府県警はこの男を麻薬取締法違反容疑で逮捕。女性らは街頭でこの男に声をかけられて知り合ったといい、「中身は知らなかった。軽い気持ちで引き受けてしまった」と青ざめたという。

 門司税関と福岡県警が今年2月摘発した事件では、中国から覚せい剤1キロを密輸した日本人の男が、無関係な知人を受取人にしていた。静岡県熱海市では今年7月、飲食店にアメリカから届いた小包に覚せい剤約217グラムが隠されており、荷物を取りに来た日本人の男が、熱海署に捕まった。

 国際郵便を使った薬物の密輸事件は昨年、全国で248件摘発され、前年比4割増。このうち、横浜税関は前年の約2・5倍にあたる23件(前年9件)を摘発した。今年5月末現在では、大阪税関が36件と過去最高だった昨年同期(20件)を大幅に上回り、東京税関も30件(昨年同期12件)と急増している。

 インターネットが普及し、容易に海外と売買できるようになったためと見られる。手口は巧妙化し、第三者を受取人にすることで、捜査をかわす逃げ道にしているようだ。

 このあおりで、受取人はぬれぎぬをはらすため、長時間の事情聴取を受ける羽目になるばかりではない。「受取人が密輸かもしれないと認識していた場合、共犯に問われる可能性もある」と、大阪税関は強く警告している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20040811i513.htm