2004年08月10日(火) 03時15分
ピンクビラ 女性歌手写真を無断使用 売春防止法違反容疑、組員ら3人逮捕(産経新聞)
有名な女性歌手の写真を無断で使ったピンクビラで、経営する派遣型売春クラブを宣伝したなどとして、売春防止法違反の疑いで、東京都新宿区内に住む暴力団員の男(三八)ら三人が警視庁に逮捕されていたことが九日、分かった。組員らは平成十三年九月から今年六月にかけ、約八千九百万円を荒稼ぎしており、同庁では、収益金が暴力団の資金源になっていたとみて追及している。
調べでは、組員らは東京都新宿区歌舞伎町に事務所を置き、派遣型売春クラブ「歌舞伎町クリーム」を経営。歌舞伎町を中心に、ビラなどを見て電話してきた客に女性を車で送り、売春させていた。客は延べ二万五千人に上るとみられる。
同クラブのピンクビラには、歌手の松浦亜弥さんやタレントの若槻千夏さんらの顔写真を無断使用。「十代美少女小柄スリム」「十代学生専門」などとうたっていた。
関係者によると、ピンクビラを出す業者の実態は不明なことが多く、有名人の写真・イラストの無断使用を追及することは難しいとされる。著名人に認められているパブリシティー権(名前や肖像から生じる経済的利益を独占する権利)をめぐって法律に明確な規定がないことなども、無断使用の取り締まりを困難にしている。
タレント事務所など二十六社三団体が会員となるNPO法人「肖像パブリシティ権擁護監視機構」(東京都新宿区)によると、昨年は男性タレントのイラストを使うケースなど数件の不正広告が判明している。警告で改めないケースでは法的措置を取るが、差し止め請求や賠償請求など民事訴訟がせいぜいという。
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≪パブリシティー権≫ 名前や肖像から生じる経済的利益を独占できる権利。芸能人など著名人に認められている。昭和60年以降、アイドルグループ「おニャン子クラブ」などが法廷闘争に訴えたのをきっかけに、日本でも広まった。法律に明確な規定はなく、ポスターやカレンダーなど海賊版氾濫(はんらん)への対策を求める声の高まりを受け、経済産業省などで権利保護の検討を進めている。(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040810-00000017-san-soci