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群馬県警伊勢崎署地域課に勤務する警部補(43)が、県内に住む男性の住所などの個人情報を調べ、知り合いの出張ヘルス店経営者に漏らしていた疑いが強まり、県警は9日、公務員職権乱用容疑で警部補の事情聴取を始めた。容疑が固まれば逮捕する方針だ。捜査を装って役所に照会をしたり、県警の情報検索システムを使っていたりしていたという。警部補はすでに、県警に上申書を提出しており、事実関係を大筋で認めているという。
調べでは警部補は今年6月ごろ、同県高崎市の出張ヘルス店経営者の男(24)からの要求を受けて、県内の男性(当時27)について、捜査関係事項照会書を役所に出して住所などを調べた疑い。また、警察署や交番にある端末から情報検索システムを利用して調べ、これらの個人情報を経営者に漏洩(ろうえい)したという。
漏洩後の6月中旬、経営者はほか3人と共謀。この男性が店の女性従業員と店を介さずに会っていたことに因縁をつけ、自動車で約6時間連れ回した上、顔などに暴行を加えて現金約54万円を脅し取ったとされる事件を起こした。この事件で経営者は逮捕され、恐喝と傷害の罪で起訴された。
調べによると、警部補は客としてこの出張ヘルス店を利用したことがあり、経営者と面識があったらしい。このため、県警は、経営者らは、警部補から得た情報などをもとに男性の住所などを知り、事件を起こしたと見ている。
6月下旬にこの男性が県警境署に被害届を提出したのを受けて、経営者ら恐喝・傷害事件に関与した4人を取り調べたところ、警部補の関与が発覚したという。
警部補は9日朝、朝日新聞の取材に対して「コメントできません」と答えた。
県警によると、捜査関係事項照会書は上司の承認がいるが、「捜査」とうそをついていたという。また、県警の情報検索システムは、住民の個人情報を照会する時に許可を取ったり、その都度、所属長の決裁を受けたりする必要はないという。
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〈公務員職権乱用罪〉 刑法は公務員が職権を乱用して、他人に義務のないことを行わせたり、権利の行使を妨げたりしたときに2年以下の懲役や禁固に処すと定めている。今年7月には、山口県警の男性巡査部長と同課の男性警部補が、巡査部長の娘が絡んだ交通事故の相手の交通違反歴を個人的な理由で入手したとして、公務員職権乱用の疑いで山口地検に書類送検され、戒告処分を受けている。(08/09 15:14)