2004年08月09日(月) 14時58分
水道水沸かして「天然温泉」…伊香保温泉の一部で(読売新聞)
群馬県伊香保町の伊香保温泉で、水道水やわき水などを沸かしただけなのにもかかわらず、「天然温泉」と受け止められるような表示や宣伝をしていたホテル・旅館が複数ある疑いが強まり、群馬県が伊香保町などを通じて事実確認に乗り出した。
そもそも温泉ではない水道水やわき水を使った場合には温泉法の網にかからないため、「温泉」と名乗っても同法違反にはならないが、「消費者を惑わす意図があれば問題」として、県は対応を検討することにしている。
同町によると、「伊香保温泉地域」内にあるホテル・旅館は55軒。水道水やわき水を使っていたとされる施設はこのうちの7軒で、7軒の施設については、温泉の場合には納入が義務づけられる入湯税を町も徴収しておらず、町観光課は「水道水や井戸水、わき水などを沸かしている施設」としている。
町内の源泉は、400年の歴史があるとされる茶褐色の「黄金(こがね)の湯」(45—65度)と、1996年から利用され始めた無色透明の「白銀(しろがね)の湯」(10—18度)の2種類。
関係者によると、7軒の大半は、後発の「白銀の湯」が利用される以前には、鉱泉などを沸かして利用する組合に所属していた。しかし、「白銀の湯」の源泉としての利用が始まり、この源泉を管理・分配する新しい組合が出来た際に組合から離脱して沸かし湯を始めたという。このほか、源泉を引き込む自前の施設が故障したりしたため、始めたところもあった。
「離脱組」の1軒は96年から、水道水と敷地内の地下水を混ぜて沸かしていたが、「客を欺いた」として、今月6日に「白銀の湯」の源泉の管理を行う伊香保温泉事業協同組合への加盟を申し込んだという。
ほかにも、パンフレットに「天然温泉」と記載したり、ホームページに温泉としての効能を思わせる表記や、実際には徴収していない入湯税料金を記載したりするところもあった。
ただし、7軒のうちには建物内では源泉を使っていないことや、わき水の沸かし湯であることなどを掲げて「説明している」という例もあった。
伊香保温泉は、昨年は約130万人が訪れた。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040809-00000005-yom-soci